研究分担者 |
津賀 一弘 広島大学, 歯学部, 助手 (60217289)
野崎 晋一 広島大学, 歯学部, 助手 (50208336)
津留 宏道 広島大学, 歯学部, 教授 (90034157)
里見 圭一 広島大学, 歯学部, 助手 (30205984)
橋本 正毅 広島大学, 歯学部, 助手 (80189505)
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研究概要 |
骨内インプラントの新素材として注目を集めているジルコニアセラミックが機能下にどのような挙動をとり,周囲骨組識と調和するかについて明らかにするために,インプラント周囲骨組識の動態を組識学的ならびに骨形態計測の立場から検索した。 実験にはビ-グル犬を用い,インプラント植立後安静状態を保つ群,植立後安静状態を保った後に負荷をかける群,植立直後から負荷をかける群のそれぞれ長期群と短期群を設立した。 その結果,植立直後より負荷をかけた群では,インプラント手術の創傷遅延によると考えられる炎症が持続し,さらに長期間負荷をかけることにより次第にインプラント周囲骨頂部の吸収が起こり,最初は骨内に埋入されていたインプラントのネジ山が露出するケ-スもみられた。一方,安静状態を保った後に負荷をかけた群においては,良好な歯肉および骨接触状態が得られ,長期の機能負荷によってもその状態に変化はなく,安静を保ち負荷をかけなかった群と同様の所見が得られた。これらの相違は骨ラベリングによる観察から明らかにされたように,機能負荷開始時にインプラント周囲骨組織の治癒が完了しているか否かが影響したものと考えられた。 以上のことより,ジルコニアインプラントへの機能圧負荷は周囲骨組織の治癒が完了するまで十分な安静状態を保った後に行った方が好ましいことが判明し,ジルコニアインプラントの臨床応用に有益な示唆を得た。
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