研究課題/領域番号 |
63480444
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
廣田 康晃 大阪大学, 歯学部, 講師 (30156723)
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研究分担者 |
松浦 英夫 大阪大学, 歯学部, 教授 (10029978)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1988年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | エピネフリン / ノルエピネフリン / 歯科用局所麻酔薬 / 心機能 / 脳循環 / 高齢者 |
研究概要 |
2%リドカインに添加された8万倍エピネフリン、25万倍ノルエピネフリンの循環に及ぼす影響を調べた。対象は有志健康成人16名で、50歳以上の高齢者群と35歳以下の若年者群にわけた。血圧、心拍数、RPPの他に、心機能については左室収縮時間(STI)と心エコー法を用いて、脳血流についてはTranscranial Dopplerと脳血管特性測定装置(QFM)を用いて検討した。投与量はエピネフリン、ノルエピネフリンについて1本(1.8ml)又は2本(3.6ml)とし、安静時(対照値)、投与直後、2分、5分、10分、20分、30分に測定した。結果は、エピネフリン投与により、1本投与群より心収縮力の増大と駆出分画の増大がみられた。心収縮力の増大と後負荷の減少により1回拍出量は増加し、心拍数の増加と相まって心拍出量は増加した。心拍出量の増加にもかかわらず全末梢血管抵抗が減少したために平均動脈圧は比較的一定に保たれた。ノルエピネフリン投与により、後負荷の増加と心収縮力の減少により1回拍出量は減少し、心拍数の減少と相まって心拍出量は減少した。心拍出量の減少にもかかわらず全末梢血管抵抗が著しく増大したために平均動脈圧は上昇した。以上の変化は若年者よりも高齢者の方が、また1本投与群より2本投与群の方がより著しい傾向にあった。中大脳動脈の血流速度は、エピネフリン、ノルエピネフリン投与によって有意な変化を示さなかった。頸動脈血流量、シミュレーション血流量、頸動脈血流速度、頸動脈血管径はノルエピネフリン2本投与によって有意な変化は示さなかった。しかし脳血管特性値では頸・脳動脈系血管抵抗、脳内動脈循環抵抗は増加し、頸動脈容量は減少した。 以上のことから歯科用局所麻酔薬に添加されるエピネフリン、ノルエピネフリンは心機能、脳循環に影響を及ぼすことが明らかとなり、年令や投与量を考慮した慎重な全身管理の下で使用すべきである。
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