研究課題/領域番号 |
63480446
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科・放射線系歯学
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研究機関 | 東日本学園大学 |
研究代表者 |
新家 昇 東日本学園大学, 歯学部, 教授 (30013999)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1989年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1988年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 新しい局所麻酔薬 / リドカインカルボン酸誘導体 / 合成 / リドカインエステル誘導体 / 長時間作用性 / 新局所麻酔薬 / 局所麻酔作用 |
研究概要 |
局所麻酔薬の側鎖にカルボキシル基を導入することにより、組織タンパクのアミノ基とアミド結合し易いようにして、局所麻酔薬の作用時間の延長を計った。リドカインのカルボン酸誘導体は2-6キシリジンとN-メチルイミノジアセティック酸とから合成した。プロカインのカルボン酸誘導体はプロカインと無水コハク酸とから合成した。これら新しい局所麻酔薬の麻酔作用はウサギの摘出迷走神経を用い、その一端に持続時間0.5msec、14Vの電気刺激を32回加え、潜時35msec付近に得られた活動電位を日本光電社製ニュ-ロパックIIにて加算平均することにより判定した。また表面麻酔作用はウサギの角膜に局所麻酔薬を摘下し、角膜反射消失の持続時間から判定した。この結果、作用発現までの時間はリドカインのカルボン酸誘導体はリドカインとほぼ同様で一分以内であった。また作用持続時間ではリドカインが平均65.5±25.9分であるのに対し、リドカインのカルボン酸誘導体では208.5±30.2分とほぼ3倍に延長することがわかった。プロカインのカルボン酸誘導体でも作用持続時間はプロカインの約2倍に延長した。一方、これらカルボン酸誘導体の表面麻酔作用を調べたところ、角膜摘下に際し、瞬目反射や流涙をきたすウサギが多くみられた。この原因はカルボン酸誘導体のpHが1.5と極端に低いため、組織刺激性が考えられた。しかし、NaOHで中和するとpHの上昇に伴い、Na^+イオンの増加とともに局所麻酔効果の持続時間は短かくなった。このためカルボン酸誘導体を酸触媒下にメチル、エチル、ブチルアルコ-ルと反応させ、メチルエステル、エチルエステル、ブチルエステルの各誘導体を合成した。エステル誘導体はカルボン酸誘導体に比べて中性に近く、表面麻酔作用も認められ、作用持続時間もリドカインの3.3倍に延長することがわかったことから、長時間の手術やペインクリニック等に有望な局所麻酔薬であると考えている。
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