研究概要 |
本研究ではIFNおよびTNFによる白血球の分仕誘導作用,および末梢血好中球の活性酸素産生に及ぼす効果を検討することによって,これらのサイトカインの好中球機能の活性化作用を評価した。 1.IFNおよびTNFによる白血球分化誘導作用 白血病細胞(MLー1,Uー93M)の増殖および分化に対するこれらのサイトカインの効果を検討し,次のような結果を得た。 (1).IFNおよびTNFは,白血病細胞の増殖を抑制した。 (2).IFNおよびTNFは,白血病細胞の分化を誘導した。 (3).TNFとTGFーβを併用すると,白血病細胞の分化は相加的あるいは相乗的に誘導された。 (4).TNFとTGFーβは,Uー937細胞のmyc mRNAの発現をそれぞれ短時間のうちに抑制し,両者を併用すると相乗的にmyc mRNAが抑制されることが判明した。 2.IFN,ILー1およびTNFの末梢血好中球機能に及ぼす効果。 ス-パ-オキサイド産生(O^ー_2)を指標として,IFN(βおよびγ),ILー1(αおよびβ),ILー2,TNF,GーCSFなどのサイトカインの好中球機能に及ぼす効果を検討し,次のような結果を得た。 (1).IFNーγ,ILー1,TNF,およびGーCSFは,DMAおよびオプソニン化ザイモザン刺激好中球よりのO^ー_2産生を増強した。しかし,IFNーβおよびILー2にはその効果は認められなかった。 (2) IFNーγを用いて,O^ー_2産生増強効果の機序を検討したところ,IFNーγによって引き起こされる細胞内へのCa^<++>のinfluxが好中球の活性化に必要であることが示唆された。
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