研究課題/領域番号 |
63480461
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
渡辺 和夫 千葉大学, 薬学部, 教授 (80019124)
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研究分担者 |
矢野 眞吾 千葉大学, 薬学部, 助教授 (90009655)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 中枢神経 / 胃液分泌 / 食欲 / γ-アミノ酪酸 / 脳機能改善薬 / オピオイド / グルタミン酸 / レセプタ- / GABA / ペントバルビタール / オビオイドペプチド / レセプター |
研究概要 |
食欲、消化機能の調節などの生理機構ならびに消化性潰瘍治療などと関連して重要課題である胃液分泌の中枢調節と分泌細胞との情報伝達システムについて研究した。実験方法として、麻酔ラットの胃内灌流標本の児童適定とコンピュ-タ-化により、精度と再現性の高い酸分泌測定法を確立した。また、脳内直接的薬物適用法により、中枢を介する胃酸分泌調節の解析を可能にした。食欲と胃酸分泌の関係を調べる研究の一環として、食欲抑制物質のカルシトニンの胃酸分泌抑制作用を計量適に示すと共に、この抑制物質がセロトニン作働系を介することを示した。同様にモルヒネの胃酸分泌抑制作用を明確に示すと共に、オピオイドペプチドの受容体サブタイプを解析し、μおよびδ-受容体が抑制的作用に重要であり、χ-受容体は関与が小さいことを見出した。研究の過程で全身麻酔薬のペントバルビタ-ルの胃酸分泌刺激作用を見出した。この胃酸分泌抑制作用はGABA受容体と密接に関連していることを示した。その作用点を解析した結果、食欲調節中枢のVMH,LHAに作用することを見出した。胃酸分泌を刺激するTRH,GABA誘導体が脳機能活性化薬物であるところから、各種の脳機能改善薬の胃酸分泌に対する影響を調べたところ、ホパンテン酸カルシウム、シチコリンなど数種の脳機能改善薬が明確な酸分泌刺激作用を示した。この結果から脳機能改善薬の評価を中枢性胃酸分泌から推測する可能性が示唆された。GABAと並んで中枢神経機能に重要な役割を有する興奮性アミノ酸について中枢内適用により酸分泌反応を調べたところ、カイニン酸に強い酸分泌刺激作用を見出した。グルタミン酸受容体サブタイプではキスカル酸が弱いことも判った三環系抗うつ薬についても酸分泌抑制作用を見出し、臨床応用を指向した前臨床評価を行った。その他、抗潰瘍作用評価のための新しい病態モデルも開発した。以上、所期の目的をほぼ達成する成果を得た。
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