研究課題/領域番号 |
63480470
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
清水 宣明 九州大学, 医学部, 講師 (50019634)
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研究分担者 |
大村 裕 九州大学, 名誉教授 (30019517)
片渕 俊彦 九州大学, 医学部, 助手 (80177401)
堀 哲郎 九州大学, 医学部, 教授 (00022814)
赤池 紀生 九州大学, 医学部, 助教授 (30040182)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 拘束ストレス / 摂食行動 / 視床下部外側野 / セロトニン / 脳内微小透析法 / インビボボルタメトリ- / 生体防御 / 電気化学検出器 / 大脳微小透析法 / ドーパミン |
研究概要 |
生体は低血糖や飢餓などの急激な代謝変動、あるいはストレスなどの外因性刺激などにすばやく反応し、摂食行動、防御行動および内分泌・代謝系を調節することによりその恒常性を維持している。これら非常時における生体反応や行動変化には刺激の受容および統合部位としての中枢神経系が重要な役割を果している。視床下部は摂食をはじめとする本能行動や内分泌・自律神経系の高次中枢として機能し、内界情報と外界情報の総合部位として行動および内分泌・自律神経系に反映させている。本研究では各種ストレス状態によって引き起こされる恒常性維持のための生体防御機構を神経生理学、神経化学、行動薬理学的研究から体系的に究明しようとした。すなわち脳内物質の動的変化と視床下部ニュ-ロン変化を同時に平行して追求するものである。本研究によって以下の点が明らかとなった。(1)、短期の拘束ストレス(2時間)によってその後22時間にわたる有意な摂食抑制がおこる。この拘束ストレスが誘起した摂食抑制はセロトニン受容体拮抗薬であるメチセルジドで阻害できるが、短期(3時間程度)の阻害である。オピオイド受容体拮抗薬であるチロキサンは無効である。(2)、拘束ストレスによって脳脊髄液中および視床下部外側野(LHA)でセロトニン代謝産物である5-HIAA濃度が有意に増加する。(3)、LHAニュ-ロンの多くはセロトニンで放電活動が抑制され、メチセルジドで拮抗される。また拘束ストレス中、放電活動が抑制されるニュ-ロンが観察され、この抑制もメチセルジドの前投与により拮抗された。(4)脳内微小透析法によりLHA内セロトニン動態の詳細な分析が可能となった。以上の結果から拘束ストレスによって生ずる摂食抑制は、主に視床下部セロトニン系の賦活に起因すると考えられ、セロトニンが視床下部化学感受性ニュ-ロン群の活動を修飾することにより発現するものと考えられる。
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