研究課題/領域番号 |
63480473
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
野村 靖幸 北海道大学, 薬学部, 教授 (00034041)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1989年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1988年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 遺伝子移入 / 情報受容伝達機構 / 卵母細胞 / セロトニン受容体 / クロライド電流 / がん遺伝子 / 形質転換 / 線維芽細胞 / セロトニン応答電流 / Ras形質転換 |
研究概要 |
外来性遺伝子移入細胞である脳mRNA移入卵母細胞ならびにv-src形質転換線維芽細胞を用いて、細胞情報伝達機構を検討し次の結果を得た。 1.ラット脳mRNAを移入した卵母細胞は、電位固定下でセロトニン(5-HT)に応答し内向き電流を生じたが、この応答はミアンセリンにより抑制されたことにより、5-HTic受容体を介するものと示唆された。5-HT応答電流は、他の抗うつ薬(イミプラミン、デシプラミン、アモキサピン、セチプチリン)によって抑制された。この抑制作用も5-HTic受容体遮断作用によると推定された。mRNA移入卵母細胞を-60mvに電位固定後、0mvに脱分極させると^<2+>流入が生じ、そのCa^+によりClチャネルが開口し外向き電流が生ずることを見いだした。この電流応答は、あらかじめアセチルコリンや5-HTのような細胞内Ca^<2+>動員作用薬を短時間処理しておくと、30分間以上にもわたり増強されることがわかった。この現象をさらに検討したところ、プロテインキナ-ゼCは関与せず、カルモジュリンに依存することが示唆された。 2.v-srcを組み込むことにより形質転換したNIH3T3線維芽細胞においては、正常細胞に比して、イソプロテレノ-ルによるサイクリックAMP生成活性が低下していた。細胞膜への〔^3H〕ジヒドロアルプレノロ-ル結合を測定しScatchard解析したところ、形質細胞では結合数が有意に減少していた。v-src感契によりB_2アドレナセプタ-数が減少し、イソプロテレノ-ルのサイクリックAMP生成活性が低下することが示された。さらにv-srcのコ-ドを有する蛋白質pp60^<v-src>はチロキンシナ-ゼ活性を有し、促進性G蛋白質Gsをリン酸化し、その結果、Gsの受容体との、ならびにアデニル酸シクラ-ゼと共役を低下させることも明らかとなった。
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