研究課題/領域番号 |
63480477
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
植木 昭和 九州大学, 薬学部, 教授 (80037564)
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研究分担者 |
柴田 重信 九州大学, 薬学部, 助手 (10162629)
山本 経之 九州大学, 薬学部, 助手 (20091332)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 痴呆 / 記憶・学習障害 / スコポラミン / 脳虚血 / 脳切片 / 2DG取り込み / 抗痴呆薬 / 局部的脳破壊 / 記憶・学習 / 抗痴呆薬(向知能薬) / サーカディアンリズム / 回転かご運動 |
研究概要 |
主としてラットを用い、諸種実験系で痴呆に関連したモデルを色々工夫しながら、いわゆる抗痴呆薬の作用を追究した。 1.3-panel runway装置を用いて確立されたラットの作業記憶はscopolamine(SCO)やアセチルコリン(Ach)神経毒AF64Aの投与、海馬や嗅球などの局部的脳破壊および脳虚血によって障害された。SCOや海馬破壊によるこの作業記憶障害はphysostigmine、amiridin、tetrahydroaminoacridine、minaprineおよびWEB1881などのAch神経を活性化する薬物によって、改善されたが、S-adenosyl-L-methionine(SAM)では改善されなかった。一方、脳虚血による作業記憶障害はAch神経活性化作用を有する薬物だけでなく、SAMもよっても改善された。 2.3-lever operant装置を用いて、3秒前に提示したレバ-の位置を覚えさせる見本合わせ学習法を考察した。この方法で3つのレバ-を表示して正しいレバ-を選択させるテストでは、嗅球摘出によってこの学習は著明に障害され、またその障害はphysostigmineによって改善された。 3.脳血管性痴呆に関連してin vitroでの脳障害モデルを作成し、2-deoxyglucose(2DG)取り込み量を調べる方法で、薬物の脳保護作用の評価を試みた。ラットの背側海馬と頭頂葉皮質を厚さ45μmの切片に切り出し、低酸素+低グルコ-スの溶液に5〜40分間浸した後洗浄し、0.5〜6時間後に45分間の2DG取り込み実験を行った。10〜20分間の低酸素+低グルコ-ス負荷では、海馬、皮質ともに2DG取り込み低下が見られた。低酸素+低グルコ-スによるこの2DG取り込み低下はadenylate cyclase活性の低下、イノシト-ルリン脂質代謝回転の低下、Caイオンの細胞内流入阻止を起こすような処置によって防止される可能性が示唆された。
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