配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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研究概要 |
我が国でよく使われているマウスおよびラットのクロ-ズドコロニ-系統について表現型頻度や遺伝子頻度などのデ-タを得た。マウス,ラットを通して全系統で比較的遺伝的多型性が保たれていることが明らかになった。また,起源あるいは由来が異なるにも係わらずスイスマウスとドイツマウスが類似する一方で,ノンスイスとドイツマウス,ノンスイスとスイスマウスが予想どおり遺伝的な違いを示した。ラットではWistar系統が3施設で多型遺伝子座の率が異なるだけではなく対立遺伝子の種類に違いを示し,1940年代に我が国に入ってきたコロニ-の直系が他の2系統と遺伝的に異なること,そして,Donryu系統が他の2系統と比べて特異な地位を示すことが明らかになった。 本研究期間を通して,マウス2系統およびラット1系統を対象に定期的な調査を行った結果,3系統とも3回にわたりほぼ同じ結果を示した。この結果を受けて,クロ-ズドコロニ-を対象にして行う遺伝検査およびモニタリングの実施案を次のように提案する。 (1)特性検査ではできるだけ多くの遺伝子を調べる。 (2)定期的検査(モニタリング)では近交系で使われている19遺伝子を検査項目として使う。 (3)特にクロ-ズドコロニ-については19項目の結果から多型を示す数種類の遺伝子座を選んで遺伝子頻度の検査に主眼を置いた検査を行う。 (4)検査頻度と検査個体数は一コロニ-から60頭選び,一年に一度実施する。 本研究で得られた結果は,今後,マウス,ラットのクロ-ズドコロニ-系統の遺伝学的研究および遺伝的モニタリングを実施する場合に,基礎的デ-タとして重要になるものと期持される。
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