研究課題/領域番号 |
63480497
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
坪井 昭三 山形大学, 医学部, 教授 (70004554)
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研究分担者 |
鈴木 民夫 山形大学, 医学部, 助手 (30206502)
斧 秀勇 山形大学, 医学部, 助教授 (40160915)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1989年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | ミトコンドリア / ミトコンドリア蛋白質の輸入 / ミトコンドリア蛋白質前駆体 / 細胞質因子 / 前駆体受容体 / targeting factor / 延長ペプチド / 蛋白質輸入機構 / 熱ショック蛋白質 / オルニチンアミノ基転移酵素 |
研究概要 |
我々は、化学的に合成したオルニチンアミノ基転移酵素(OAT)前駆体の延長ペプチド(34個のアミノ酸残基を持つ)が、OAT前駆体と同一の機構でミトコンドリアマトリックス内に輸入されることを報告した。この実験系を用いて、前駆体の輸入に要求される細胞質因子を兎網状赤血球溶血液より精製し、2万倍の標品を得た。この標品をOAT延長ペプチドを含む合成ペプチドをリガンドとしたアフィニティ-カラムにより分画し、前駆体輸入反応を促進する28kDa蛋白質を得ることに成功した。この28kDa蛋白質に対する抗体は、OAT前駆体のミトコンドリアへの輸入及び外膜への結合を阻害する。また、この因子は前駆体輸入に要求される熱ショック蛋白質(Hsp70)とは異なるものであることが、蛋白化学並びに免疫化学的に確かめられた。一方、ミトコンドリア膜画分より可溶化した蛋白質中に存在するミトコンドリア蛋白質前駆体を結合する、いわゆる前駆体受容体を上記アフィニティ-カラムを用いて精製した。精製標品は、52kDaと29kDaの蛋白質を含むが、29kDa蛋白質がOAT前駆体延長ペプチドを結合する活性を持つ。この29kDa蛋白質の抗体は、やはりミトコンドリア蛋白質前駆体のミトコンドリアへの輸入反応を強く阻害する。また29kDa蛋白質はミトコンドリアの外膜と内膜の密着している部位(コンタクトサイト)に局在し、しかもその大部分を細胞質側に露出していることが明らかとなった。その他の実験結果を総合すると、我々の精製した細胞質因子はミトコンドリア外膜に前駆体を運ぶ作用を持つ、targeting factorと呼ぶべきものであること、前駆体受容体はコンタクトサイトでtargeting factorにより外膜に運ばれた前駆体を受け取り、マトリックス内にエネルギ-に依存して輸送する装置を構成する蛋白質であると考えられる。Hsp 70H、ATP関与で前駆体を膜通過に適した形に転換するものと考えれる。
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