研究課題/領域番号 |
63480503
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大村 恒雄 九州大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80029933)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1989年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1988年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | ミトコンドリア / 小胞体 / 蛋白質の膜通過 / 蛋白質分子の膜通過機構 |
研究概要 |
ミトコンドリアについては、P-450(SCC)とアドレノドキシンの前駆体の延長ペプチド中に存在するミトコンドリア指向シグナルの検討を行ない、アミノ末端の15〜20アミノ酸残基から成る部分が前駆体のミトコンドリアへの輸入に必要であることを確定した。また、P-450(11β)前駆体のアミノ末端45アミノ酸残基から成るペプチドを合成し、これがミトコンドリアへ効率よく輸入されることを確かめたので、このペプチドおよびアドレノドキシンとP-450(SCC)前駆体のアミノ末端20〜25アミノ酸残基に相当するペプチドと親和性を持つ蛋白質をミトコンドリア膜から検出する研究を進め、これらのペプチドと高い親和性をもつ蛋白質を見出してその性質の検討を行なっている。ミトコンドリアへの前駆体蛋白質輸入の最終段階である延長ペプチドの切断については、これに関与するプロテア-ゼをラット肝ミトコンドリアから均一にまで精製し、分子量52KDと55KDのサブユニット各1個から成るヘテロダイマ-であることを確かめ、前駆体蛋白質への作用は延長ペプチドだけを選択的に切断するエンドプロテア-ゼ型であることもアドレノドキシン前駆体について確認した。 小胞体膜については、翻訳と共役して進行する膜へのペプチド挿入を決定するアミノ末端のシグナル配列と、ペプチドの膜透過を中断させる膜透過停止配列について無細胞系による詳細な検討を進めた。アミノ末端のペプチド挿入配列については、配列の先端にある電荷とそれに続くアミノ酸配列の疎水性度によって、蛋白質が膜へ挿入されるか膜を透過するかが決定されていることを見出した。膜透過停止配列については、ペプチドの膜透過を中断させる主要な因子は配列の疎水性度であって、それに続く電荷を持つアミノ酸残基が疎水性配列の効果を高めていることを確かめた。
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