研究概要 |
シャジクモ(Chara corallina)の原形質膜に存在するアニオンチャンネルの性質を原形質分離法とパッチクランプ法を組み合わせることにより、研究の方向を切り拓いた。この方法により、開閉の挙動の異なる2種類のCl^-ーsensitiveなチャンねるの分離に成功した。A型と呼ぶチャンネルは、Ca^<2+>の1.0,10,0.1μΜの濃度によって、その挙動は全く異なる。B型と呼ぶチャンネルは膜の過分板電圧と共にチャンネルの関く頻度が高くなる。前者をCa^<2+>ーdependent Cl^-ーsensitive anion channel,後者をHyperpolarizationーactivated Cl^-ーsensitive anion channelと呼ぶことにした。Ca^<2+>ーactivated Cl^-ーsensitive anion チャンネルは0.1μMCa^<2+>濃度では殆ど閉じている。1.0μΜCa^<2+>濃度では膜電圧の-180〜-40mVの領域で開き、その開確率は-80〜-100mVに最大値を持つ。ある仮定の下に、その最大値は0.15程度と予想された。 10μΜCa^<2+>濃度では 開確率が上記膜電圧領域において減少した。 1.0μΜCa^<2+>濃度において、カルモジュリンの阻害剤(Wー7,TFP,クロルプロマジン)を投与すると、チャンネルは開かなくなる 。パッチクランプ法により同定されたCa^<2+>ーdependent Cl^-ーsensitive anion channelの性質は、シャジクモ細胞の興奮時に一過的にコンダクタンの増大を示す、Ca^<2+>ーactivated Cl^-channelの性質を充分に充たしている。
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