研究課題/領域番号 |
63490013
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
竹内 寛 信州大学, 工学部, 助教授 (00029258)
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研究分担者 |
土田 暎子 信州大学, 工学部, 教務員
三谷 道治 信州大学, 工学部, 助教授 (20021016)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
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キーワード | 親ナイトレニウムイオン / アルキルナイトレニウムイオン / 環状アルキルナイトレニウムイオン / 芳香族N-置換 / 一重項状態安定化 / S-T遷移促進 / ベンズアゼピン / ジベンゾアゼピン / 2、4、6-トリメチルアニリン / オルト-アニシジン / Nーアミノピリジニウム塩 / Sーアミノスルホニウム塩 / 1a,8aージヒドロナフタレノ[1,8a-b]アジリジン |
研究概要 |
親、アルキル、ジアルキル、及び環状アルキルナイトレニウムイオンは1-アミノピリジニウム塩、S-アミノスルホニウム塩やそれらの誘導体のアレン-トリフルオロ酢酸中での光分解反応で発生する。この光化学反応で、一重項ナイトレニウムイオンから芳香族N-置換体が、三重項のそれからは水素原子引き抜き生成物が得られた。このナイトレニウムイオン機構は、Hammettのρ(-2.1)値、アミノラジカルやアミニウムイオン機構の除去、重原子や酸素の効果等により証明された。原料塩のカチオン及びアニオン部の変化によるナイトレニウムイオンの反応性の変化より、ナイトレニウムイオンは非共有電子対並びに対アニオンの両者と相互作用し一重項状態安定化が起こっていることが判明した。クラウンエ-テルが存在するとこれと類似の相互作用によりナイトレニウムイオンが取り込まれ、ベンゼンとの反応でアニリンの収率の増大が観察された。アニソ-ルとの反応デオルト-アニシジンが優先して生じるのも、アニソ-ル酵素とナイトレニウムイオンの相互作用での安定化により説明出来た。ナイトレニウムイオンの一重項への遷移は重原子や酸素により促進されるが、この遷移エネルギ-差が親ナイトレニウムイオンよりずっと小さいジアルキル及び環状アルキルナイトレニウムイオンでは、ルエンやメシチレンが存在すると三重項反応が起こり易くなりそのために、この遷移が促進された。これは、一重項と三重項のエネルギ-差が小さいので、それらの間に速い平行が存在することによる。 一方、対アニオンとしてI^-を持つ三重項親ナイトレニウムイオンは、ナフタレンやフェナントレンに付加してアジリジン中間体を生成し、これらのアジリジン中間体の環拡大反応ちより、新規の化合物である1H-及び9H-1-ベンズアゼピンや9H-及び11H-ジベンゾ[d,f]アゼピンを与えることが判明した。
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