研究課題/領域番号 |
63490018
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
井上 貞子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (00053827)
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研究分担者 |
岩崎 万里子 (岩崎 万理子) 昭和大学, 薬学部, 助手 (80054021)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 魚卵表層胞糖タンパク質 / ポリシアロ糖タンパク質 / KDN-糖タンパク質 / デアミノノイラミン酸 / オリゴ / ポリKDN / 糖タンパク質糖鎖の遊離 / ビテロジェニン代謝 / 糖タンパク質 / KDNー糖タンパク質 / リン酸化糖タンパク質 / 糖タンパク質糖鎖の構造と機能 / 魚卵表層胞局在糖タンパク質 / 魚卵初期発生 / 糖タンパク質糖鎖の遊離と蓄積 |
研究概要 |
本研究は、魚卵に存在し卵形成、受精および所期発生の過程で細胞調節や分化に関連した機能をもつ糖タンパク質の化学構造を解析し、生物学的諸現象の分子機構を明らかにすることを目的とし以下の成果を得た。 1.表層胞糖タンパク質の構造と機能。本研究者はニジマス卵にポリシアロ糖タンパク質(PSGP)を発見し、表層胞局在で初期発生の過程で機能することが推定される分子であることを示した。本研究では、サケ科各属の魚卵にPSGPが存在することを明らかにし、それらの構造決定をした。ポリシアリル基をもつ糖鎖構造は共通であるが、アミノ酸配列が種に特異的であり、種の識別や系統分類の指標となる分子であることが判明した。サケ科以外の魚卵表層胞糖タンパク質を調べた結果、反復構造に共通が見出されるが、糖鎖の構造とペプチドへの結合様式がPSGPとは全く異なり、5本アンテナ鎖のN-結合型糖鎖のみを有していた。これら表層胞糖タンパク質の糖鎖に結合する酸性基(シアル酸、硫酸)の数に、産卵水域のイオン強度と関連した差異が明らかにされ、胚発生に好適な浸透圧やイオン環境の調整をする機能が示唆された。 2.KDN_-糖タンパク質の発見と構造。KDNは本研究者らが、ニジマス卵PSGPに見出した新しいシアル酸アナログである。本研究でニジマス卵膜とニジマス卵巣液にシアル酸を全く含まず、重量で50%のKDNを含む糖タンパク質を見出し、KDNが縮重合したオリゴ/ポリKDN基をもつ糖鎖構造が決定された。卵膜KDN糖タンパク質は、第二層に局在し、精子との相互作用と関連した機能解明が今後の課題として残された。 3.糖タンパク質糖鎖の遊離とその意義。ある種の魚卵に、糖タンパク質由来の糖鎖が、ペプチド部分から切断され遊離して存在することを見出し、それら糖鎖の構造解析と由来する糖タンパク質の検索を行った。糖鎖の遊離はビテロジェニン代謝と関連したものであることが示唆された。
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