研究課題/領域番号 |
63510012
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
中国哲学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 正美 早稲田大学, 文学部, 教授 (80153641)
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研究分担者 |
KOBAYASHI Masayoshi Waseda University, School of literature, Professor (80153641)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 道教 / 天師道 / 葛氏道 / 上清派 / 終末論 / 霊宝経 / 上清経 / 六朝道教史研究 / 仏教に与えた道教の影響 / 存思法 / 止観法 / 懺法 / 天台智〓 / 〓祭 / 『六朝道教史研究』 / 六朝時代 / 体内神 / 宇宙論 / 種民 / 劫災 / 三十六天 |
研究概要 |
道教は一人の教祖によって創唱された宗教ではなく、由来を異にする種々の道流が複合してできた宗教であるために、道教の教理研究は各道流の教理の歴史的展開を解明することから始めなければならなかった。道教の基本形態が形成される東晋・劉宋期を中心に、天師道・葛氏道・上清派の教理を考察し、これらの道流に共通する教理として終末論にあることが明らかとなった。道教の終末論とは、近い将来にこの地上の世界に大災が発生して天地は崩壊し、地上のすべての悪人は死滅するが、善人である種臣と種民は生き残って、終末後の太平の世で金闕後聖帝君(真君)に見えることができる、という思想であるが、道教の根本聖典である霊宝経と上清経がこの終末論を背景にして形成されたこと、更にこれらの道典で説かれるさまざまな修道法や宗教儀礼が終末後の太平の世まで生き長らえる種臣や種民になるためのものであることが解明された。これらの研究成果は三篇の論公文(「東晋期の道教の終末論」・「上清経と霊宝経の終末論」・「劉宋期の天師道の終末論」)にまとめられて刊された。更に、これらの論文と、六朝時代の天師道と葛氏道の道典及び教理の研究とを合わせて『六朝道教史研究』という一書にまとめ、創文社の東洋学叢書として出版した。 また、道教の修道論の研究として、道教の存思法と仏教の止観法との比較研究、更に道教儀礼の研究として、道教の懴悔法及び〓祭儀礼と仏教の懴悔法との比較研究を行ない、その成果の一部を日本印度学仏教学会第42回学術大会で研究発表し、それを同学会誌40巻に掲載する予定である。 道教用語の収集は神格と存思法に関する語を中心に行なったが、今後はそれらを整理して更に研究を進めたいと考えている。
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