研究課題/領域番号 |
63510041
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
細谷 純 東北大学, 教育学部, 教授 (50004106)
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研究分担者 |
本郷 一夫 東北大学, 教育学部, 助手 (30173652)
宇野 忍 東北大学, 教育学部, 助教授 (30004120)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 映像教材 / 情報の読み取り / 学習状況の設定 / 自然認識 / 社会認識 |
研究概要 |
本年度の研究では、1)映像教材として「花の結婚」(BBC放送制作・NHK総合放送TV、昭和57年11月放送)を選択し、小学校6年生を対象に、この教材の試聴による授業を行い、2)その授業を有効ならしめるために設定した先行状況の効果を検討した。 1.選択した映像教材は、(1)花は生殖器官であること、(2)他花受粉をするためにア)虫媒花では受粉のために花弁を目立たせたり蜜やロウを分泌する、イ)風媒花は目立たない花だが花粉の量が多いなど、さまざまな工夫がされている、などの情報を鮮やかな映像で示したものである。しかし、このような映像教材も単に試聴させただけでは、「かわいそう」、「気持ち悪い」といった情緒的反応が多く、映像から他受粉のための工夫が必ずしも読み取れないことがわかっていた。 2.そこで、授業に先立って、(1)おしべ、めしべ、花びら、子房、胚珠などを確認させ、(2)子房が実になり胚珠が種になることを確認させた後で、(3)同じ一つの花では受粉しにくい、ことを強調した。その後に、「植物が同じ仲間の、他の花から花粉をもらうために、どんな工夫をしているか調べよう」と問い、映像教材を試聴させた。 3.試聴時は、始め騒がしかったが昆虫が登場してからはシンとなり、熱心に視聴した。(2)映像教材の視聴によって子どもたちがいかなる情報を獲得しえたかは、感想文を検討することによった。それによると、ほとんどの子どもたちがア)前回のような情緒的反応はせず、イ)それぞれの花の受粉の工夫を記述し、ウ)風媒花・虫媒花とかワナ式・お見合い式という範疇を自発的に用いた記述も見られた。 4.以上の結果は、「他花受粉のための工夫」の認識の前提である「どの花も自花受粉を避ける」という認識を強調するという先行状況の設定が映像教材からの情報の読み取りを促進しうることを示している。
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