研究課題/領域番号 |
63510078
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
宮田 洋 関西学院大学, 文学部, 教授 (50079612)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 睡眠生活習慣 / 不眠 / 終夜睡眠 / 視覚障害 |
研究概要 |
1.調査研究 生活・職業訓練を受けている視覚障害者52名(男子30名;女子22名;平均年令33.3歳)を対象に、面接法で睡眠生活習慣調査を実施した。その結果、対象者の約10%が、寝つきの悪さ、起床時の気分の悪さ、早朝覚醒、睡眠の浅さ、日中の過度の眠気を周期的に体験すると訴えた。また周期的に入眠困難、日中の過度の眠気を訴える者は、先天性視覚障害者の方が後天性視覚障害者より有意に多かった。さらに、光覚無しの者で眠くなる時刻の周期的遅れ、起床時刻の周期的遅れ、入眠困難の周期的体験を訴える率が高かった。視覚障害者は睡眠-覚醒リズムの形成に必要な光情報を十分に得ることができない状態にある。睡眠-覚醒リズムの乱れにより、不眠症状態になることが予想される。今後、視覚障害者の健康状態を評価し睡眠改善のために、睡眠生活習慣を実施していくことが重要である。 2.実験研究 視覚障害者の終夜睡眠構造を調べるため、上記調査で不眠などを訴えない男子視覚障害者6名(平均年齢24.6歳;中途失明者1名:先天性視覚障害者5名)を対象に2夜連続の終夜睡眠ポリグラフ記録(脳波、筋電図、眼球運動など)を実施した。その結果、いずれの被験者も第2夜目で全睡眠時間は延長し睡眠効率は高くなり、段階覚醒の出現量は有意に減少した。2名の被験者の徐波睡眠量は、全睡眠時間の10%以下であり、晴眼者の平均出現量(約18%)よりも著しく少なかった。中途失明者1名の徐波睡眠量は、晴眼者の値に近かった。1例では、他の被験者に比べて段階2及び段階覚醒の出現量が著しく多く、逆に段階REMの出現量が少なかった。今後、被験者数を増やし、視覚障害の程度、失明期間の長さと睡眠構造との関連を調べることが重要な課題である。
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