研究課題/領域番号 |
63510091
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
奥村 義雄 富山大学, 教育学部, 助教授 (10109100)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 地域社会 / 地域生活 / イタイイタイ病 / カドミウム汚染 / 住民運動 / テクノポリス |
研究概要 |
まず、「現代日本農村社会の変動」、「先端技術産業と地域開発」、「安中-安中の農民、50年の証言」 、「イタイイタイ病裁判」 等の諸資料・文献の検討によって、地方都市の社会構造の変容、地域開発と住民生活、公害と住民運動についての問題点と課題を整理した。そのうえで、イタイイタイ病対策協議会、神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会の協力を得て、イタイイタイ病・鉱毒被害地域のうち富山市新保、婦負郡婦中町熊野、鵜坂、宮川各地区の世帯主を対象として、職業、家族構成、移動、近隣関係、地域集団への参加、イタイイタイ病・鉱毒被害の現状、住民運動への参加、農業経営の現状と将来展望等についての調査を行った。職業は専業農業40%、第1種兼業10%、第2種兼業20%であり、収入は平均300万円程度、直系家族が半数をこえ、世帯の就業者2〜3人が60%をしめる。イタイイタイ病認定患者は148人、要観察判定患者は386人に達する。土壌汚染対策地域は1,500haにおよぶ。調査対象の20%の世帯に認定患者があり、半数近くが0.5〜2haの指定地を所有している。近隣関係は親密であり、町内会等地域集団への参加も活発である。イタイイタイ病・鉱毒対策については、汚染土壌の復元を最も強く要求し、発生源対策とイタイイタイ病の認定や治療等の要求がこれにつぐ。公害問題に関して、カンパや署名、陳情、報告会参加等の活動経験がいずれも30%をこえている。近隣関係・地域集団と公害問題に関する活動経験に強い相関がみられる。富山市、婦中町は婦負郡八尾町とともに富山テクノポリスの中心でもある。地方都市の階級・階層構造、公害と住民運動、地域開発とテクノポリス等について、当該地域の特徴との比較検討のため、石川県梯川流域、兵庫県西播磨テクノポリス、長野県坂城町、京都府在田川流域等で資料収集・調査を行った。今後、富山市神明、婦中町速星各地区の調査を実施し、全体的に補足する予定である。
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