研究課題/領域番号 |
63510122
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
中村 満紀男 秋田大学, 教育学部, 教授 (80000280)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 特殊学級 / 特殊学校 / 通学制学校 / 精神薄弱 / 障害児教育 / 就学義務化 / アメリカ合衆国 / プログレッシビズム / 障害児(者) / 精神薄弱児 / 肢体不自由児 / 通学刺学校 |
研究概要 |
アメリカにおける特殊学級は、19世紀第4四半期ないし世紀転換期および北東部・中西部という特定の時期と地域に生じた教育現象であった。特殊学級の開設は二つの源がある。第一の源は聾教育の改善運動である。これは、従来の寄宿制聾学校におけるmanual法、家庭やコミュニティと分離した生育環境、それに伴うスティグマ等を嫌う人々がはじめた通学制学校の設立運動である。この方式は、州負担が少ないので州の支持をうけ、ウィスコンシン等の中西部州で拡大する。20世紀以降には、同地域で盲児の通学制学校へ発展する。第二の源はプログレッシビムの一環としての公立学校の改善運動にある。公立学校は、19世紀後半以降危機にさらされた伝統的価値と秩序を蘇生させる社会センタ-とされる。公立学校の再建過程において派生的に生じたのが特殊学級の原型であった。学級の学業と秩序を乱す児童は、一般学級から分離されて、正規の学年に復帰できるように指導をうけたが、復帰できない児童のなかに、恒常的な学業遅滞児=精神薄弱児がおり、永続的に分離される。その他にも、特別な指導が必要な児童には、特殊学級が用意されていく。聾を中心とする通学制学校は、寄宿制学校にはない、次のような画期的な成果をえる。公共性の獲得、内容の充実(例えば教員の有資格化)、各コミュニティにある障害児の教育責任、正常な養育環境としての家庭と親のニ-ズ重視、早期からの教育、児童に合わせた教育。精神薄弱の通学制学校でも、興味・関心、児童のペ-スへの合致、励ましと賞賛、喜びと幸福な環境を重視し、一般学級の教員に影響を与えはじめる。しかし精神薄弱には、適用が除外される成果が多かった。また、通学制学校の成果は、中産層の理念に関連しており、通学制学校の利益を十分に活用できるのも彼らであった。
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