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現代日本の音楽教育における発声法と伝統芸能における発声法の比較に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63510133
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 教育学
研究機関大阪大学

研究代表者

中山 一郎  大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60029890)

研究分担者 上畠 力  大阪教育大学, 教育学部, 教授
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード日本語歌唱 / ベルカント唱法 / singing formant / ホルマント周波数 / 邦楽発声 / 音の移行法
研究概要

日本語歌唱における好ましい発声法を確立するための第一歩として、音楽教育において一般に教授されているベルカント唱法(洋楽発声)と、古来、日本語が美しく響き、かつ、明瞭に聴取されるように発せられている伝統芸能における発声法(邦楽発声)との音声学的差異の抽出と比較を、音の移行法をも含めて行なった。熟達したヴォイス・トレーナ立会いのもとに、バリトン歌手、及び、伝統芸能の演奏家(謡曲、長唄、義太夫、民謡。それぞれ複数の男性専門家)に、無響室中でメロディを伴った有意味なフレーズ(/あおいうえには あおいそら/)をそれぞれのジャンル特有の唱法で発声させ、録音音声をコンピュータ処理した。
その結果、次のことが明らかになった。1.発声法(5母音を分析)においては、洋楽発声では明確なsinging formantが認められ、低次倍音が多く、ビブラートを伴う。一方、邦楽発声では、一般により高次倍音を多く含む。2.母音の中性化(F_1ーF_2平面上で判定)は、一般に邦楽発声の方が少なく、話し声の音韻により近いフォルマントを持っている。但し、謡曲においては、1、2とも洋楽発声との共通点が多く、これは、主として口蓋の引き上げにより、より響きを多くするためと考えられる。3.音の移行法においては、洋楽発声では、一定の響きを持った母音の中で子音は非常に短く発音され、また、音の移行と一音節の発音がほぼ同時で、音の移行も明瞭であるのに対し、邦楽発声では、子音中に細かい変化を付け、また、音の移行と発音のずれを起こさせ、また、フレーズの最初の二音節をまとめたり、長音を二音節に発音するなど、等拍性という単調なリズムになりやすい性質を持った日本語に意識的に変化を与え、巧みなニュアンスを生み出している。これらの結果は、明瞭性を持ち、かつ自然な韻律となめらかさを持った日本語歌唱法を考える上で、有用な方法論を示唆していると考えられている。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 中山一郎: 日本音響学会音楽音響研究会資料(6月). (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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