研究課題/領域番号 |
63510140
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
竹内 敬子 高知大学, 教育学部, 教授 (90036658)
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研究分担者 |
清水 寛 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70008712)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 特別学級 / 学業成績不良児 / 精神薄弱児 / 第二次大戦前 / 日本 |
研究概要 |
第2次大戦前の特別学級について、先行研究文献(223点)の収集・整理を行い、それらに基づき、また一部は関連史科(戦前の地方教育雑誌掲載記事や該当学工の沿革誌等)により、都道府県ごとに学級事例の整理を行った。その結果、栃木、静岡、香川、高知、鹿児島の5県を除き233校(旧満州日本人学校の3校を含む)の事例の存在が確認できた。それらのうち東京、大阪、京都の旧3市の事例が判明事例全体の約40%を占めている。ここから戦前、特別学級は全国のほとんどの開設されていること、特に大都市部の開設事例が多いことがわかる。 これらの開設年度は1922〜1827年度に約半数が集中しており、大正末期が重要な意味を持っている。しかしこれら特別学級の成立基盤は脆弱で、短命で廃止された学級が多い(5年以下約60%)。廃止理由は校長や担任の転出等関係者個人に係わるもの、学校や市町村の経済的理由によるもの、周囲の無理解等である。これらから、法的裏付けを持たない戦前の特別学級は、大都市等一部の事例を除き学校独自の努力で開設維持されたものが多く従って校長や該当学級の教師の姿勢に負うところが大であったと言える。こうした事例の一つが愛媛県松前小学校の特別学級である(研究成果報告書参照)。またこれらの学級の対象児は、精神薄弱児と明確に位置付けられた事例は極めて少なく、精神薄弱等知的能力の遅れに関する概念の学問的確立の影響は受けるものの、実際の特別学級入級児は多様であり、ここには戦前の通常の学級の状況が大きく影響している。 ところで、戦前の日本植民地における障害児教育の実態は全く未解明であったが、我々の研究で、大連松林小学校の「促進学級」(1923年開設)、大石橋小学校の「分離教室)(1923年開設)、教育専門学校付属小学校(後の奉天千代田小学校)の「補助学級」(1927年開設)の特別学級の事例が確認できた。
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