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奄美大島における治療行動の変化にみられる疾病観念および死生観念の変化

研究課題

研究課題/領域番号 63510165
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 文化人類学
研究機関九州芸術工科大学

研究代表者

波平 恵美子  九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (00109216)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
キーワード受療行動 / 疾病観念 / イメージ / トランス / ユタ / 奄美大島
研究概要

奄美大島各地の人々の受療行動は、1980年以降より多くの医療機関、より広域での医療機関を訪れる傾向が見られ、活発にになったということができる。従来は、鹿児島市内の医療機関が主であったのに対し、ここ数年は沖縄、福岡、大阪、東京へ受診や入院のため出かけている。そのほか専門的な治療を受けるためにそれ以外の土地へ行くこともある。一般に、島内はもちろん、県外の医療機関についての島内住民間の情報交換は活発である。島外での受療行動を支えているのは、島外で組織されている地域社会ごとの「郷友会」である。情報が島内の住民へ郷友会を通してもたらされている。
このように活発な受療行動にもかかわらず、島内及び島外の「ユタ」と呼ばれる宗教職能者の「治療・診断」を受ける島民は多い。特に病気が慢性疾患であったり回復が困難で致命率が高い疾患と診断された場合には特にユタの訪問が頻繁である。その背景には、病気の原因を何らかの超自然的な原因に求める疾病観念がほとんど変化しないからであると考えられる。一方、ユタは様ざまな医療情報を断片的に取り入れて「医療がなぜ病気を失せないか、治せないか」を説明する。
一方、心身症状と推測されるものはユタの治療で、時には劇的に軽減することがあり、またある種の精神障害も日常生活に支障がないくらいには軽減する。これらのことは地域社会や親族の人間関係を通して速くまた時には誇張されて伝えられ、それがユタへの信頼を強めている。
ユタの治療効果の注目される点は「病気が治った」というイメージを人々に儀礼そしてその時クライアントが経験するトランスを通して与え得るということである。ユタ信仰と治療行為が盛んな状況は島民の疾病観念と死生観が活発な受療活動によっても変化がないことが明らかになった。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 波平恵美子: メディカル・ヒューマニティ. 4巻2号. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 波平恵美子 他: "イメージの世界" 井上書院, (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 波平恵美子 他: "医療人類学" 海鳴社, (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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