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近世の飢饉に関する民衆生活史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63510182
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 日本史
研究機関宮城学院女子大学

研究代表者

菊池 勇夫  宮城学院女子大学, 学芸学部, 助教授 (20186191)

研究期間 (年度) 1988 – 1990
研究課題ステータス 完了 (1990年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード飢饉 / 天明の飢饉 / 施行小屋 / 御救小屋 / 非人小屋 / 乞食(非人) / 弘前藩 / 盛岡藩 / 飢饉供養塔 / 飢人 / 乞食 / 非人 / 天明飢饉 / 救荒書 / 飢饉伝承 / 天保飢饉 / 打ちこわし / ムラの制裁
研究概要

近世奥羽の社会では凶作・飢饉がたびたび襲い民衆を苦しめた。飢饉のなかでも、とりわけ天明の飢饉は、餓死者をたくさん出しただけでなく、人肉さえ食べたといわれるような「餓鬼道の世」を現出させていた。本研究は、奥羽地方の飢饉に関する史料をひろく調査・収集しながら、民衆生活のなかに飢饉を位置づけることを目的とした。研究期間中、文献史料の収集はほぼ所期の成果を達成できたと考えているが、論文としては施行小屋(御救小屋、非人小屋)に関する論文をまとめるにとどまっている。施行小屋の問題をまず取り上げたのは、飢饉によって飢えた人々に対して領主権力がどのように対応したのか具体的に検討してみたかったからである。その場合、単に為政者による救済事業というとらえかたに終わるのではなく、飢人をめぐる民衆と権力の関係のあり方に注目した。弘前藩、盛岡藩、仙台藩など奥羽各藩の天明の飢饉下における施行小屋の実態をあきらかにすることで、そうした課題に迫ってみた。近世社会は共同体を基礎とした村請・町請によって、領主と人民の関係が成り立っており、飢人が発生しても原則的には村・町が扶助すべきとされていた。しかし、村・町の救済機能が破綻したときはどうなるのか。飢人の乞食・非人化が促進されるが、ここに領主権力による施行小屋の設置という対策がでてくる仕組みになっていた。ここで注意しておくべきことは、施行小屋といっても、それは領主の乞食・非人に対する温情的救恤観と治安対策視が色濃く投影したものであった。しかも、民衆自身の乞食に対する差別感情が餓死収容所と化した施行小屋の有り様を許容していたことも見逃せない。飽食の時代にあって、飢えの民衆体験を振り返ってみることの重要性を再認識したい。

報告書

(4件)
  • 1990 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1989 実績報告書
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 菊池 勇夫: "飢饉と施行小屋ー宝暦飢饉・盛岡藩の場合ー" 『近世の民衆文化と政治』河出書房新社. (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Isao Kikichi: "Famine and "Charity Shelters" Morioka Domain during the Horeki Famine" Demotic Culture and politics in the Tokugawa Period. Kawadeshoboshinsya. 1755-1756 (1991)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1990 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 菊池 勇夫: "飢饉と施行小屋ー宝暦飢饉・盛岡藩の場合ー" 『近世の民衆文化と政治』(渡辺信史先生還暦記念論文集)河出書房新社. (1991)

    • 関連する報告書
      1990 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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