研究課題/領域番号 |
63510203
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
清水 稔 佛教大学, 文学部, 助教授 (00093039)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 革命と反革命 / 1911年の革命 / 軍閥 / 新文化運動し五四運動 / 民衆の抵抗 / 農民運動と会党 / 湖南省憲法体制 / 駆趙政変 / 『長沙大公報』 / 連省自治 / 湖南農民運動 / 毛沢東の著作の再検討 / 湖南人の湖南 / 駆張闘争 / 反動復古と新文化運動 / 帝国主義と軍閥 / 五四運動の思想的前提 / 辛亥革命の挫折と新文化運動 / 革命の主体の確立と自我の確立 / 専制と民主 / 両湖地区の辛亥革命 / 五四運動と民衆 / 革命派と立憲派 / 反帝国主義と反軍閥 / 民衆レベルの革命 |
研究概要 |
1910年代20年代の中国の社会像をめぐる従来の諸研究は、時代・分野・地域などの細分化の傾向によって、また現代中国の政治動向に大きく左右されて、不可避的に「孤立」的な研究状況と「断絶」的な中国理解を生み出してきた。本研究は、近来中国で大量に出版されるにいたった新聞・雑誌類の原資料を基礎に、このような研究の孤立化傾向を克服し、断絶を埋めて歴史の連続的な理解をえること、つまり1910年代20年代の中国社会に内在する複雑にして、かつ多岐にわたる政治的・経済的・社会的・思想的な諸問題を統一的・体系的・連続的・構造的に把握することをめざして出発した。その目的を達成するために、南北対立の接点となった湖南・湖北を素材として取り上げ、その政治・経済構造を単に内政史としてみるだけでなく、それを縦糸しとて、また日・米・英などの帝国主義諸列強の政治的・経済的侵略を横糸として、1910年代20年代の中国社会を動態的に把握し、かつ軍閥の支配構造と民衆の抵抗の構造をその深みのなかでとらえようとした。その結果、1910年代20年代の湖南における政治・社会・思想の各分野にわたって新たな知見をえることができた。とくに1910年代の出発点となった「1911年の革命」いわゆる辛亥革命の分析を通して、立憲派・革命派・北洋軍閥・列強と民衆を対抗の基軸とする「革命と反革命」の中国的な政治構造を明らかにしえたし、また1910年代の到達点であると同時に、20年代の出発点となった「五四運動」の分析によって、五四の政治闘争のなかで思想革命としての新文化運動が深化し、さらにそれが引き金となって自治と民主を求める運動の高揚、北伐と農民運動の急展開がもたらされたことを解明しえた。ただ今後の課題として列強の役割と経済構造の分析が残されたが、次の機会に論じてみたい。
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