研究課題/領域番号 |
63510205
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
西洋史
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木村 和男 筑波大学, 歴史人類学系, 助教授 (10004079)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イギリス史 / 植民地会議 / イギリス帝国 / カナダ史 / 貿易政策 / 関税政策 / チェンバレン / ローリエ / 帝国主義 |
研究概要 |
第1次大戦前に計七回開催されたイギリス植民地会議関係のイギリス側議会史料(議事録、諸報告書、通信文書等)、会議を管轄した植民地省文書(秘密議事録、植民地総督文書)、及びカナダを中心とした植民地側文書(議会史料、植民地首相文書等)を、国内の諸大学、諸図書館への出張を重ねて、網羅的に調査、収集した。また会議の主要争点であった帝国通商同盟問題に関しては、1880年代からの本国と各植民地の貿易・関税政策志向の変化を、近年活発化しつつある帝国史、各植民地史の諸研究を、やはり網羅的に調査、収集して、検証を試みた。これらの調査、収集結果は、学生の資料整理援助を得て、図書カード及びパソコンデータベースにて分類、整理し、今後の利用の便を図った。特にイギリス、カナダの関係図書館、文書館からは、マイクロフォームによって貴重な史料の貸与を受け、これらを焼付けることで史料整理を進めた。 以上の史料に基づいて、会議における帝国通商同盟論争の実態と背景を実証的に解明し、本国のみならず植民地側の主張の根拠をも示すことで、真に包括的なイギリス帝国像を提示するための作業を進めた。とりわけ論争の主役となったイギリス植民地大臣ジョセフ・チェンバレンとカナダ首相ウィルフリッド・ローリエとの間に、将来の帝国像に関する顕著な見解の相違があったのを明らかにしたことは、大きな成果であったといえよう。研究はさらに、イギリス帝国の具体的、構造的解明に向けてさらに継続=前進させねばならないが、当面の成果はやはり文部省の研究成果公開促進費の援助を受けた拙著『カナダ自治領の生成-英米両帝国下の植民地-』(力水書房刊)の中に反映させることができた。反面、今回特に重点を置いた諸史料の調査、収集結果の整理は未だ完成に至らず、本格的検証作業と共に今後に残されている。
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