• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

自由主義的行財政改革におけるコ-ポラティスト的執行の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 63520032
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 政治学
研究機関東北大学

研究代表者

大嶽 秀夫  東北大学, 法学部, 教授 (40083563)

研究期間 (年度) 1988 – 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワード行政改革 / 自由化 / 規制緩和 / 民営化 / 電電公社 / コ-ポラティズム / 自由主義的改革 / 臨調 / NTT / 中曾根内閣 / 経済的自由主義 / 財政改革 / コーポラティズム / 自由民主党 / 中曽根内閣
研究概要

行政改革は、「小さい政府」、「民間活力の応用」、「規制緩和」などをスロ-ガンとして行われたものである。ところが、その実施過程ならびに結果において、コ-ポラティスト的性格が強く現れるというパラドックスが見られた。例えば、電電公社の民営化を通じて、自由化や規制緩和が促進されたことは言うまでもないが、他方で、民営化の過程ならびにその結果において、コ-ポラティスト的特徴は一層強まった。第一に、全電通は、電電三法の国会審議に対し、総力を挙げて圧力行使を行ったが、その過程で従来からの社会党を介した影響力のチャネルばかりでなく、自民党との直接の接触のル-トを開拓、利用した。全電通が、単なる労働条件や雇用の問題を超えて、産業政策についての自らの主張を確立し、それを代表させるチャネルを確立していったという意味で、(メゾ)コ-ポラティズムへの一歩であるといってよい。また、自民党の側も、それまでの労働組合(特に総評系労組)の政治参加のアクセスを拒否する態度から、政治参加を容認、奨励するあり方へ転換した。転換した。この意味でも、日本政治が、行政改革を通じてコ-ポラティズムに一層近付いたと解することができる。
他方、経営との関係でも、全電通は、民営化に関して経営者との利害を一致させ、むしろ積極的に民営化を推進したと言って過言ではない。全電通の主張は、経営側とほとんど同じものであり、いわば経営側の尖兵として政治活動を行ったのである。この(ミクロ)レベルでも、自由主義的改革は、コ-ポラティズム的労使協調を一層促進させたのである。また、電電公社の民営化は、一人の解雇者も出さずに実現された。実は、カッツェンシュテインの分析したスイスやオ-ストリアの例が示すように、(国際的)自由化は、国内のコ-ポラティズムを生み出す基礎たりうるのであり、この例と比較すれば、日本が特に特異な構造を示しているというわけではない。「国益」ないしは「企業の利益」という観点が貫徹すれば、国際市場、国内市場における競争のために労使が協力するのは当然のことであるからである。この観点に立てば、ミクロ・レベルのコ-ポラティズムが自由主義的改革によって一層進行したことは何等驚くべきことではない。

報告書

(3件)
  • 1989 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 大嶽秀夫: "行政改革の時代" 中央公論社, (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大嶽秀夫: "政策過程" 東京大学出版会, (1990)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hideo Otake: The Age of Administrative Reform(Gyousei Kaikaku no Jidai). Chuo-Koron sha,

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 大嶽秀夫: "行政改革の時代" 中央公論社, (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 大嶽秀夫: "政策過程" 東京大学出版会, (1990)

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 大嶽秀夫: レヴァイアサン. 4. (1989)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

URL: 

公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi