研究課題/領域番号 |
63520040
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
君村 昌 同志社大学, 法学部, 教授 (50066148)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 公務員制度 / 行政管理 / 官僚制 / 政治的中立 / 大臣責任 / 新保守主義 / 責任管理 / 大蔵省統制 / 政治的中立性 / 公共支出の削減 / 支出に見合う価値 / 公共支出 / 応答責任 |
研究概要 |
サッチャ-時代の公務員制度改革の集大成とも言うべきイブス報告に基づく改革の進行状況ならびに問題点の解明に研究の主たる焦点をおいてきた。改革が今後、どの程度まで進展するかという問題は今の段階で決定的なことは言えないが、保健省や雇用者のような多数の職員からなる省庁のエ-ジェンシ-化が近く予定されており、これらの省庁の改革の成否がこの提案の今後を判断する有力なきめ手になるように思われる。 ところでラディカルな改革を妨げるいくつかの制約要因が存在しており、なかでも(1)議会に対する大臣責任。(2)大蔵省の強固な中央支配。の二つの要因はとくに改革の進行を左右する重要なものである。まず前者について言えば、政府は当初、議会に対する大臣責任を何ら変更するつもりはないと言明していたが、大蔵・公務員制度特別委員会は、長官に権限を真に委譲するならば、議会に対する長官の責任体制も強化しなければならないと主張し、長官が自ら証言を行うために特別委員会に喚問され、また支出官として決算委員会に責任を負うよう強く要求した。そこで政府は長官の個人的責任について若干同意する姿勢を示したが、その後独自の予算承認額(Vote)をもつ機関についてのみ支出官としての地位を認める指針を出しており、未だ改革は徹底したものではないように思われる。後者の大蔵省統制については、同省は公共支出に対する統制権の喪失を恐れており、分権化予算、エ-ジエンシ-管理者への権限の委譲はかなりの制約をうけている。また民間管理手法の導入は、公共部門の仕事の性格上一律に行うことは多くの問題を含んでおり、さらに政策と執行の画一的区別も現実と合致していない等の問題点を指摘できる。今後、イブス報告を行政機関が地方分教政策、キャリア-公務員制の解体等のより広い文脈との関連で位置づけることが必要であろう。また地方公務員制度についても研究を深め、一層統合的な研究をめざしたい。
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