研究課題/領域番号 |
63530048
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮島 洋 東京大学, 経済学部, 教授 (00020537)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 政府金融機関 / 公的金融 / 長期プライムレート / 資金運用部 / 財投金利 / 国債流通利廻り / 国債発行利廻り / 国債整理基金 |
研究概要 |
1.金融の自由化が進展する中で、昭和59年秋以降、金融情勢は急速な緩和傾向に転じた。59年1月と62年1月を比較すると、長期プライムレート(=政府金融機関基準貸付金利)、国債流通利廻りとも2%超低下している。これに対し、財投金利の中心、資金運用部預託・貸付金利は法定制のための硬直性が目立ち、低下幅は1%強に過ぎなかった。 2.長期プライムレートに連動した基準貸付金利の急速な低下と法定制による資金運用部貸付金利の硬直性から、59年秋以降、国民金融公庫中小企業金融公庫、北海道・東北開発公庫などの貸付利鞘が急速に縮小し、62年初にはついに逆鞘状況となった。こうした、一部政府金融機関の経営悪化に対処するため、一般会計からの利子補給金が急増した。 3.逆に、もともと特別低利融資の比重が高い住宅金融公庫、農林漁業金融公庫などは、緩慢かつ硬直的とはいえ、運用部貸付金利の低下から1%程度の逆鞘幅の縮小という恩恵を受けた。しかし、内需拡大策の柱とされた住宅金融公庫の場合は、貸付枠の大幅増から収支悪化が進み、急増する一般会計利子補給金に一部減額・繰延措置がとられた。 4.国債消化策の一環として、資金運用部の国債引受は重要な意味をもっている、ところが、流通利廻りに連動した発行利廻りの急速な低下と法定制預託金利の硬直性・高どまりから、59年11月以降、運用部の国債引受は常に逆鞘運用となった。この収支悪化を補填するため保有国債の売却が行われ、特に61年度には売却収入等が4500億円にも上がった。 5.国債整理基金特別会計の1つの役割は、その余裕金を原資として国債買オペを行い、国債市場の安定や利子費用の軽減を図ることにあった。59年秋以降の急速な金融緩和で国債整理基金による国債買オペの必要性は薄れたが、62年夏以降の金利先高観の広がりから、同年7月から9月にかけては9000億円強の買オペが集中的に実施されている。
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