フランスのすぐれた会計制度として有効に機能しているプラン・コンタブル・ジェネラルをめぐって、とくに発展史的研究の観点から研究を進めてきた。プラン・コンタブル・ジェネラルについては、第2次大戦後1947年、1957年、1982年というように発展的に改訂が行われ、今日に至っているが、とくに最近では、会計の国際的調和化という視点から1982年版のものが注目されている。EC次元での会計制度の調和化が重視され、フランスの会計制度もこのような国際化の影響の下で大きな変革をうけてきている。こういった内容の変化が具体的にどのように現われているかを十分配慮しつつ研究を行ってきた。 また、取り揃えることができた文献は本研究において大いに役立ってきており、将来の研究の基礎ともなりうる。とくに当年度においてはプラン・コンタブルと税務成果との関連、企業情報の開示の問題、会計ディスクロージャーの問題、公的主導型の会計標準化の問題、プラン・コンタブルと引当金会計の問題、EDP会計処理基準の問題等かなりの側面において一定の知見を得ることができた。とくに、わがくにとの関連では、税務成果の決定が会計とどのように関わっているかについて一定の成果を挙げえたのは幸いであった。なお、企業情報の開示は、わが国においても主要となっており、その点でかなりの業績を達成できたと自負している。 さらにこれらの実績をふまえて、将来、プラン・コンタブルと評価問題、財務誌表の体系に関する諸問題等の研究を進めて、一層の内容の充実をはかっていくようにしたい。
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