研究分担者 |
北詰 正顯 岐阜大学, 教養部, 講師 (60204898)
松本 裕行 岐阜大学, 教養部, 講師 (00190538)
萬代 武史 岐阜大学, 教養部, 助教授 (10181843)
志賀 潔 岐阜大学, 教養部, 助教授 (10022683)
尼野 一夫 岐阜大学, 教養部, 教授 (40021761)
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研究概要 |
本研究においては、まずKが有理数体Qの2^m次のアーベル拡大でそのガロア群G(K/Q)が型(2,2…,2)をもつ場合に、そのイデアル類群C_Kの構造を明確にし、またその広義の類数h_Kの計算法を確立するなどの成果を得た。すなわち次の定理を証明することができた。 定理1.Kは有理数体Qの2^m次のアーベル拡大で、そのガロア群G(K/Q)は型(2,2,…,2)をもつとする。t=2^m-1として、k_1,k_2,…,k_tはKの相異なる2次部分体とする。さらにi=1,2,…,tについてC_i(2)はk_iの2-類群として、k_iのイデアル類群をC_i(2)×B_iとおく。もしKの類数h_Kが奇数であるならば、Kのイデアル類群C_Kは C_K=B_1×B_2×…×B_t のように直積分解される。したがってB_iの位数をb_iで表すならず、Kの類数h_Kは、h_K=b_ib_2…b_tと表される。 次に本研究では上記の定理1を用いて(2,2)型の4次体、(2,2,2)型の8次体および(2,2,2,2)型の16次体の類数を具体的に計算するために、それらの類数が奇数となるための条件をいくつか求めた。次の定理はその条件の一つを示す。 定理2.K=Q(√<p>,√<q>,√<r>)は8次体とする。ただしp、q、rは相異なる。さらに(q/p)=1 そして(p/r)=(r/q)=-1と仮定する。そのときもし4次部分体k=Q(√<p>,√<q>)の類数が奇数ならば、Kの類数h_Kも奇数である。 最後に、数多くの4次体、8次体および16次体について、その類数を実際に計算し、それを表にまとめた。このことも本研究の成果である。 本研究の結果は日本数学会で1988年秋の総合分科会と1989年春の年会でそれぞれ口答発表を行った。また裏面のように雑誌に発表の予定。
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