研究課題/領域番号 |
63540118
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井川 満 大阪大学, 理学部, 教授 (80028191)
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研究分担者 |
盛田 健彦 大阪大学, 理学部, 助手 (00192782)
磯崎 洋 大阪大学, 理学部, 講師 (90111913)
小松 玄 大阪大学, 理学部, 助教授 (60108446)
田辺 広城 大阪大学, 理学部, 教授 (70028083)
池田 信行 大阪大学, 理学部, 教授 (00028078)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 散乱理論 / 散乱行列 / 極 / modified Lax and Phillips conjecture / エルゴード理論 / 形式的力学系 / ゼータ関数 / 閉測地線 |
研究概要 |
波動方程式の散乱行列の極の分布に関する基本的問題であるModified Lax and Phillipsの予想に関し、大きな進歩があった。井川が進めてきた極の分布の判定定理と、盛田健彦が従来から研究してきたergodic theoryを結びつける研究を行ない、それが見事に成功した。その成果により、考察する障害物がいくつかの凸な物体から成る場合には、上の予想が成立する事を示した。それは、判定定理における関数の性質をエルゴード定理を用いて調べる方法の確立である。定理の関数の主要部を取り出すこと、その主要部にたいして、適当な形式的力学系の構造の枠を設定する、ついで問題に付随した関数を見つけだして、その関数によって決まる形式的力学系のzeta functionを定義し、その解析的性質を調べる。特に、その特異性の存在を示す。このzeta functionと取り出した主要部が一致する事を示すことにより、懸案のmodified Lax and Phillips conjectureが、障害物を成している物体がお互いの距離に比して、小さいときには成立する事が示された。また、この研究の過程で幾何学の問題として、従来から問われてきたいくつかの凸な物体の外部の閉測地線の分布関数の漸近公式を求める問題が解決された。これらの研究には、池田、新田、村上達との討論の力も大きくあずかっている。 田辺、永友、鹿野の非線形問題の研究は磯崎の非線形方程式の散乱問題の研究を促進した。非線形問題は極めて範な問題で解決すべき問題が山積しているが、この共同の研究は確かな基礎を形成し、近くその結果が公表される予定である。また小松の領域の摂動と基本解の研究は彼のその漸近展開公式の研究によって散乱論に示唆を与えている。
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