研究分担者 |
角田 譲 神戸大学, 教養部, 助教授 (50031365)
池田 裕司 神戸大学, 教養部, 教授 (10031353)
中村 昌稔 神戸大学, 教養部, 教授 (80031102)
江川 治朗 神戸大学, 教養部, 教授 (50031117)
木村 郁雄 神戸大学, 教養部, 教授 (80031293)
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研究概要 |
Gをn次元グラスマン多様体とし、DをG内の領域とする。このとき層係数のコホモロジー群H^1(D,O^*),H^2(D,O),…,H^<n-1>(D,O)が消滅すれば、Dはスタイン多様体であることを、かつて証明した。ここに、OはDからCへの正則写像の芽の層を、O^*はC^*へのそれの芽の層を表す。とくに、Gが複素2次元射影空間のときは、コホモロジー集合H^1(D,OL_L)が消滅すれば、Dはスタイン多様体であることも、前に証明した。ここに、OL_Lは複素リー群Lへの正則写像の芽の層を表す。以上の結果を踏まえて、今年度は、上記の結果の拡張を研究した。その方針としては、Gをもっと広い多様体あるいは複素解析空間にすることや、OやO^*をもっと広い正則写像の芽の層にすることが考えられる。前者の場合については、Gが複素代数曲面や正値正則両断面曲率をもつケーラー曲面の場合について前に研究した。さらに、Gがスタイン空間の場合も、いくつか研究がある。後者については、Gがスタイン多様体で、Lが複素リー群のとき、H^1(D,OL_L),H^2(D,O),…,H^<n-1>(D,O)の消滅する場合についての研究がある。以上のことを考え合わせて、今年度は、次の結果を得ることができた。 定理 Gをn次元グラスマン多様体、Lを複素線型リー群でそのリー環が零でない純整元をもつものとする。このとき、Gの領域DがH^1(D,OL_L)=0,H^2(D,O)=0,…,H^<n-1>(D,O)=0をみたせば、Dはスタイン多様体である。 証明のポイントは、上記のLの条件と、H^1(D,DZ )の消滅を使って、D上に零でない正則函数が存在することを証明することにある。これが示せると、以前にしてあった研究と合わせることによって、上の定理を証明することができる。なお、上の結果は、以前に我々の得ていた結果の、拡張になっている。
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