研究課題/領域番号 |
63540158
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
井上 和行 信州大学, 理学部, 講師 (70020675)
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研究分担者 |
神谷 久夫 信州大学, 理学部, 助手 (80020676)
真次 康夫 信州大学, 理学部, 講師 (60020682)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 正規過程 / 同等問題 / 定常過程 / スペクトル測度 / マルコフ性 / 無限階微分作用素 / 整関数の零点分布 |
研究概要 |
正規過程の同等問題、即ち2つの正規過程が与えられた時にそれらに対応する見本空間上のガウス測度の相互絶対連続性の判定条件を研究した。「定常Gauss過程の同等問題」(1988)では、正規定常過程のスペクトル密度関数が特別なタイプの整関数の逆数として与えられる場合について考察した。その結果、2つの正規定常過程が同等である為の判定条件を、対応する2つの整関数の零点分布の状況が漸近的に或る意味で同等であることとして与えることができた。従来の研究ではスペクトル密度関数が有理関数として与えられる場合は知られていたが、我々の結果により、スペクトル密度関数f(λ)がλ→∞の時に1/(λ^α)(α>0)よりも速く減少する場合の取扱いについて1つの手掛りを掴むことができた。「エルゴード定理とその応用」(1989)は丸山儀四郎先生の講義録を整理したものである。測度の絶対連続性・特異性の議論において、可測空間上の可測同型写像の群に関するエルゴード性は基本的な役割を演ずる。今回の研究にあたり、特に広島確率論セミナーの人たちとの間で、エルゴード定理について種々の議論をしていただいた。今後の課題としては、正規定常過程が整関数の中でもより一般的なアダマールの因数分解表現として与えられるものを考察すること、および、整関数がウルトラ微分作用素、即ち無限階微分作用素に対応する場合を考察することである。これはマルコフ性をもつ定期定常過程の標準表現の問題とも関連して興味ある課題であると思う。今回の研究にあたり、1988年11月1日〜4日に行われた科研費シンポジウム「Stochastic functional analysis」(担当者:河野敬雄氏)でも報告し、参加者の方々から有益な助言をいただいた。
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