研究課題/領域番号 |
63540164
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
一松 信 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (10027378)
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研究分担者 |
磯 祐介 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (70203065)
萩谷 昌己 京都大学, 数理解析研究所, 助手 (30156252)
大沢 健夫 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (30115802)
三輪 哲二 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (10027386)
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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キーワード | 数式処理 / 数値計算 / 誤差解析 / 境界要素法 / 微分方程式の数値解法 |
研究概要 |
数式処理の基本的算法に対して、一応の調査を完了した。特に誤差範囲εを許容した上で、数式処理による厳密計算を実行し、必要に応じてεを変更した結果を比較する計算法が、数式処理と数値計算との融合計算法としては大きな可能性を秘めていることに気づいた。例えば従来は計算が困難であるとされていた近接根の分離には、極めて有効である。この線に添って組織的な研究を開始した。更にこれと関連して、以前から続けてきたスプライン補間・境界要素法などについて、若干の成果をえた。境界要素法の収束証明に関しては、分担者の磯祐介が以前に示した評価を、早川款達郎と共同で改良した。この結果は、工学方面で行なわれている数値実験結果に合致するもので、若干の仮定は必要であるが、現在では最も精密な評価になっている。また未発表であるが、陰的ルンゲ・クッタ型公式によって硬い微分方程式を有効に解く手法の実用化にめどをえた。浜田穂積提案のURR方式による数表現の誤差解析についても、在来の浮動小数点表示に対して遜色ないことを示した。 また、一松と磯の主宰する数値解析セミナーでは、偏微分方程式の数値解析を話題の中心に置きながら、数値解析全般について様々な研究発表を行ない、今後の共同研究の体制もますます整った。 これまでの調査でえた基本資料を基に、今後冒頭に述べた、誤差を許容する数式処理計算法の体系化を考察したく思っている。
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