研究課題/領域番号 |
63540191
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
藤本 正行 新潟大学, 教育学部, 助教授 (00111708)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 回転星 / 降着星 / 流体力学的不安定性 / 物質混合 / X線バ-スト / 新星爆発 / 超新星爆発 / Xー線ハ-ヌト / 工型超新星爆発 / 流体力学的不安定 / I型超新星爆発 / X線バースト |
研究概要 |
本研究は、回転している成層流体の非軸対称な断熱摂動に対する流体力学的な不安定性を検討し、微分回転している恒星内部では、バロクリニック不安定のため乱流が遍在しているとの作業仮説に基づき、乱流による角運動量輸送とそれに伴う物質・熱の輸送の効果を考慮した、現象論的ではあるが首尾一貫した恒星進化のモデル方程式を定式化した。それを近接連星系で伴星から物質降着している中性子星・白色矮星に適用し、降着物質の持つ角運動量によって励起される乱流による物質・熱の輸送は、核反応の暴走の起きる層にまで達し得ることを明らかにした。また、X線バ-スト、新星爆発と観測との比較検討を通して、これらのモデルの有効性を立証した。本研究で得られた知見は次のようにまとめられる。1.乱流輸送の効率としては、降着層の特徴的な長さ、不安定性の成長率から評価した値を採用したが、バロクリニック不安定による乱流輸送は効率がよく、密度の高い内部では、殆ど一様回転に近い状態が実現されることがわかった。このことは、回転星の不安定性として、これまで取り上げられてきた熱的な不安定性は実際には効かないことを示している。2.物質混合の効率は、乱流粘性の効率の仮定に依存し、乱流粘性の効率が小さい程、大きくなる。これは、物質混合に必要なエネルギ-は回転エネルギ-から供給されるが、乱流粘性率が小さい程、角運動量の輸送に必要な微分回転が大きくなるためである。3.降着した角運動量の影響は、重力の大きい恒星ほど顕著となるが、これは、降着層での物質の回転速度が速くなり、そのため、バロクラインの効果が大きいことによる。 同時に、比較のため、拡散による物質混合の効果、金属欠乏星での殻フラッシュによる物質混合の進行を計算し、また、物質混合の効果をみるため、ヘリウム殻燃焼の性質等を調べ、赤色巨星への進化の機構を解明した。
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