研究課題/領域番号 |
63540203
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
篠塚 勉 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター加 (10134066)
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研究分担者 |
藤岡 学 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター加, 教授 (70016111)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 不安定核 / ベータ安定線 / オンライン質量分離器 / 重イオン加速器 / 遅発粒子放出 / 殻模型 / 魔法数 / イオンガイド法 / 核分裂 |
研究概要 |
ベータ安定線から離れた短寿命核の研究は、世界各地での重イオン加速器の活発な建設および計画に刺激され、核構造の見なおし、元素生成等に対する天体核物理学への寄与等に於いて、活発かつ重要な研究領域となってきている。 本研究は、不安定な未知の短寿命核の発見、探索を通して、上記の領域に貢献することを目的としている。具体的方法としては、世界に先駆けて開発した、イオンガイド式オンライン質量分離器(元素保存性のない高速分離が可能なもの)をウラン及びトリウムの陽子入射核分裂反応と組み合わせ、中性子過剰核領域の未知原子核の探索、発見を目ざしている。研究計画としては、 1.β遅発中性子用検出器の設計・開発、2.不安定核の短寿命化に備えたテープ輸送系の高速化の為の改造、3.高立体角β-γ用検出器の開発と製作、という項目を立てた。1.に関しては試作器が完成し、テスト実験を準備中であり、2.3.はその開発が完了し、イオンガイド法の改良とも合わせて、現在、中性子過剰核領域での未知核探索が実行されている。実験は陽子入射核分裂反応を用いた際の収量評価から始まったが、イオンガイド法の特徴が発揮され、未知核直前の既知核に容易に到着し、方法の優秀性をうかがわせている。従って、これまで崩壊後の娘核を用いて求められていた核分離時の電荷分布も、寿命の短い親核の測定を通して、あいまいさなく求めることが出来るという思わぬ副産物を得ている。実験は未知の2重魔法核であくV8Niの探索を最終目標としているが、最初のステップとして、比較的収量の多い、質量数90前後から初めている。現在、未知核である90Seの崩壊から出ると思われるガンマ線が測定され、その同定を急いでいる。又、この研究で開発された測定器系は中性子欠損核領域の研究にも重要な役割を果たしている。
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