研究課題/領域番号 |
63540228
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
核・宇宙線・素粒子
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
坂東 昌子 愛知大学, 教養部, 教授 (20025365)
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研究分担者 |
長谷部 勝也 愛知大学, 教養部, 教授 (90228461)
益川 敏英 京都大学, 基礎物理研究所, 教授 (60022612)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 紫外固定点 / 自発的対称性の破れ / 動的カイラル対称性の破れ / 現代的くりこみ処法 / 漸近自由性 / テクニカラー理論 / フレイバーチェンジング中性子カレント / 複合条件 / 動力学的対称性の破れ / 現代的くりこみ流れ図 |
研究概要 |
Non-trivialな紫外固定点のある場の理論が存在する可能性は、統一理論や大統一理論を構築する立場からも、大変重要な役割を果たすことが1986年あたりから注目をあびた。特にテクニカラー理論が、ワインバーグサラム理論における最大の謎とされているヒッグス粒子がになっている対称性の破れの動的な起源にせまる理論として、多くの研究者の関心を集めたにもかかわらず、フレイバーの変化する中性カレントが大きくですぎるために、一旦は1980年初期に捨てられた。それに対して、上記の理論の存在は、この困難を回避する方法を提供したのである。このような状況の中で、Latticeによる数値計算によって、あるいはSchwinger Dyson方程式を解くことによって、漸近自由ならびに非自由な場の理論の構造を調べる仕事が重要になってきた。われわれは特にその中で、現代的くりこみ処法を用いて、従来調べられてきた、QED理論の構造とQCDにみられる漸近自由な理論との関係を一つの枠組で調べる方法を提供し、長い間論争になっていた。Fixed pointの理論と漸近的自由の理論との関係を明らかにすることができた。またこうしたゲージ理論における解析ではゲージ依存性が一つの深刻な問題になっていたが、この点に関しても従来用いられているLandauゲージがゲージパラメーター上での紫外固定点になっているという特殊な位置を占めていることを明らかにした。以上、QEDのS-D方程式の解という形で紫外固定点の存在の証明になった際の問題点を、現代的くりこみ処法を用いることによってより広い視点から明らかにすることができた。さらに最近LEPをはじめとする新しい実験でトップコークの質量が少なくとも77GeV以上であることがわかってきた。W-S理論の枠組みの中で、この事実をくみいれて、紫外固定点のある場の理論の枠組みのなかでくりこみ群によるcouplingの動きを記述する新しい処法を提案することも試みた。
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