研究課題/領域番号 |
63540248
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
網代 芳民 京都大学, 理学部, 助手 (00025438)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 三角格子反強磁性体 / 磁気相転移 / スピンフラストレ-ション / 磁壁ソリトン / 部分無秩序相 / カイラル転移 / 相転移 / スピンフラストレーション / 磁気共鳴 / ABX_3型化合物 / CsCoCl_3 / CsNiCl_3 |
研究概要 |
本研究はスピンフラストレ-ション効果を有する最も単純な系である三角格子反強磁性体を対象に、三角格子系のエネルギ-縮退に伴う揺らぎ効果の究明と新しい秩序相の発見を目的とする。磁気秩序化過程にいおいてフラストレ-ションを反映した新しい秩序変数の出現が期待されたので、核磁気共鳴・電子スピン共鳴・中性子散乱・光学測定・高磁場磁化など多様な実験手段を駆使した研究を研究期間中にわたって実施し、以下の成果を得た。 1.擬一次元性が強い六方晶ABX_3型化合物を対象にして、磁気鎖間のフラストレ-ションに由来する△AF系の秩序化現象の特異性を解明した。具体的には、イジング異方性を持つCsCoCl_3については、磁壁ソリトンによるスピンの縦成分ゆらぎの微視的解明を行い、特異な部分無秩序相がソリトン伝達による部分格子磁化反転機構から生じることを示した。ハイゼンベルグ+弱いイジング異方性を持つCsNiCl_3、CsMnI_3については、二段階逐次相転移過程におけるスピンの縦横成分の独立した秩序化の動的挙動を解明し、XY異方性を持つCsMnBr_3については、横成分スピンの秩序化に伴うカイラリティ対称性を反映した新しいユニバ-サリティを示す相転移の存在を、種々の臨界指数の精密測定によって初めて検証し、更に上記の類似化合物をCsMnI_3との比較実験によって確認した。 2.より理想的な二次元△AFモデル物質系の探索を目的としてABO_2型およびAM(XO_4)_2型化合物の研究に着手し、古典スピンハイゼンベルグ△AFに特徴的な磁気励起を反映したESR線幅の温度変化、中性子散乱による二次元短距離秩序の直接観測、高磁場磁化測定による△AF特有の1/3プラト-を持つ中間状態の観測に成功した。
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