研究課題/領域番号 |
63540252
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
藤井 博信 広島大学, 総合科学部, 教授 (30034573)
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研究分担者 |
小島 健一 広島大学, 総合科学部, 助手 (00100975)
檜原 忠幹 (桧原 忠幹) 広島大学, 総合科学部, 教授 (30004279)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | Fe_2P型結晶構造 / ヘビ-・フェルミオン / 価数揺動 / 異方的混成効果 / 電気抵抗 / 帯磁率 / 超音波吸収 / 比熱 / ヘビ-フェルミオン / 異方的混成成果 / Fe_2P型CeTIn化合物 / ヘビー・フェルミオン / 結晶育成 |
研究概要 |
本研究において、我々はFe_2P型六方晶構造をもつセリウム化合物CeTIn(T=Ni,PdおよびPt)単結晶を育成しその物性研究より、(面内で極めて強い混成効果が存在することを明らかにした。Fe_2P型構造の特徴は、Ce原子面がC軸に沿って層状に積み重なっており、かつCe原子からみた最近培CeおよびTはいずれもC面内に存在することであり、CeTInは二次元性の強い物質系であるといえる。これまでの多結晶試料による研究より、CeTInは、高温ではCeの4f電子は局在し典型的な近藤効果を示し、低温では(1)CeNiInは価数揺動状態にあり、(2)CePdInはT_N=1.7Kにネ-ル点をもつ反強磁性ヘビ-・フェルミオン化合物(γ=700m^J/mole・k^2 at T=50mK)、(3)CePtInは50mKまで磁気秩序も超伝導も示さないヘビ-・フェルミオン状態にあることを見い出してきた。本研究では、これらのヘビ-・フェルミオンの出現起構を明らかにする目的で、単結晶による詳細な物性研究を計画した。我々はまず、トリ・ア-ク熔解炉を作製し、チョコラルスキ-法によって単結晶の育成に着手した。試行錯誤の末、CeNiInおよびCePdIn単結晶の育成に成功した。その結晶を用いて、電気抵抗ρ、帯磁率x、熱電能s、熱膨張ΔL/L、比熱Cpおよび超音波吸収の測定を行った。その結果、両系のa軸方向のρには、1nTに依存した異常が観測されたが、c軸方向のそれには、1nT依存性はみられず、金属的な振まいがみられた。これは、近藤散乱がa軸に沿って顕著であることを示しており、4f電子と伝導電子との混成効果がC軸に比べてC面内で強いことを示唆している。しかし、この異方的近藤効果は、帯磁率に対して結晶場効果を補償する方向に働き、見掛け上、帯磁率の異方性は極めて小さくなることが明らかになった。さらに超音波吸収の実験より、弾性定数の温度依存を決定した。その結果より、結晶場分裂の様子が決定された。これらの成果は、1987〜1990年にわたって論文10編に発表されている。
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