研究課題/領域番号 |
63540258
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80106608)
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研究分担者 |
坂本 功 東京都立大学, 理学部, 助手 (80094267)
汐崎 郁代 東京都立大学, 理学部, 助手 (10087166)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1989年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 金属人工格子 / 電子輸送効果 / 電流磁気効果 / ホ-ル効果 / 磁気抵抗効果 / 人工格子 / 金属人工多層膜 / 多層膜 |
研究概要 |
(1)Cu/Ni系の積層周期(Λ)の短い試料に於て、人工格子系としては初めて、電気抵抗とホ-ル効果の温度依存性に、キュ-リ-温度の低下に対応する異常を観測した。負の磁気抵抗はΛの増加と共に増大し、Λ=2.75nmで9.3%に達し、巨大磁気抵抗を示す。ホ-ル抵抗もΛの減少と共に増大し、巨大磁気抵との相関が示された。(2)Ag_m/Cr_nのAg層厚を6原子層に固定し、Cr膜厚を単原子層から10原子層まで変化させ、ホ-ル係数(R_H)の測定を行った。Crが単原子層の時、R_Hはほぼ純Agの値になり、Cr膜厚とともに絶対値が増加し3原子層で約3倍のピ-クを示した後、急に減少することを見いだした。(3)Au/Mn系では、Mnが0.05nmの試料でR_Hは室温のほぼ純金の値から出発して、降温と共に〜20Kまで増大を示す。角度依存性を示す負の磁気抵抗の結果とともに、2次元性を持つ磁気的散乱の暗示している。Mn厚6nmの試料では、R_Hの測定で、90K付近での急激な絶対値の減少として、αMnの存在が明示され、人工格子での電流磁気効果の測定の有効性を示された。(4)Pd/Coに於いて、磁気的左右非対称散乱を通し、"立った"ヒステレシスル-プをホ-ル抵抗の磁場依存性で直接観測に成功した。(5)Fe/Cr系で、負の磁気抵抗の大きさと異常ホ-ル効果の大きさの間に明白な相関を見いだした。(6)垂直抵抗の測定では種々問題が発生したが、他の方法では得られない根本的な情報を得ることができた。Ag/Coの面内抵抗は人工格子系の中で小さい部類であり、これは伝導電子が界面を鏡面的に透過するか、鏡面的に反射しているかを示している。しかし、面内抵抗測定のみでは、いずれが主であるかを決定することはできない。垂直抵抗の測定で、Λの減少に伴う抵抗の増大が少ないことより、界面での鏡面的透過が主に効いていることを初めて明らかにした。
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