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新しい相互摩擦力に基く超流動

研究課題

研究課題/領域番号 63540270
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物性一般
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 武郎  東北大学, 理学部, 助教授 (00004424)

研究分担者 山田 一雄  名古屋大学, 教養部, 教授 (10022542)
研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード超流動 / 量子渦系 / 相互摩擦力 / 超流動乱流 / 渦系冷凍機
研究概要

超流動HeIIの流れ状態の研究の歴史は長いが、これまでの研究は流速が10センチメートル/秒以下の低速流領域に限られ、そこにおいては、いわゆるGorter-Mellink型の相互摩擦力を用いた2流体力学により現象をよく理解できることが示されている。我々は、断熱流という独特の系を用いて、流速が100センチメートル/秒を越える所までの高速流領域を実現し、その流れ状態の特製を実験的に捉、これを2流体力学の枠内でどのように取り扱えるかを研究した。
断熱高速流領域の特徴は、流路に沿っての温度分布が流速に応じて複雑に変化することである。この温度分布を2流体力学を用いて理論的に再現することを試みた。その結果、相互摩擦力として、これまで広く用いられているGorter-Mellink型を用いては再現が不可能であることを示し、それに代わる新しい型の相互摩擦力を提案し、これを用いて、実験で得られた複雑な温度分布を全流領域において見事に再現することに成功した。この新しい相互摩擦力は、HeIIの乱流状態を表すパラメターである量子渦系密度Loが、超流動成分の速度V_Sのみの関数であるという点において、Gorter-Mellink型と決定的に異なる。温度分布の再現を与えるLoは、V_sの関数として急峻な変化と穏かな変化を繰り返す特徴ある振舞を示し、超流動乱流状態には多くの段階が存在することを示す。
温度分布の再現と同時に常流動成分の流速V_nも計算され、V_nのV_s依存性にはV_nが急速に増大するという特徴的速度の存在することが見出だされた。断熱流の系に同位元素^3Heを少量混入し、その平均流速を核磁気共鳴法を用いて実験的に求めた所、そこにも同様の特徴的速度が存在することが明らかになった。この事は、我々の新しい相互摩擦力を用いた2流体力学による高速流領域の記述が正しいことを示している。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Okuyama;Toshimi,Satoh;Takeo,Satoh: Physica B. 154. 116-124 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 佐藤武郎,奥山峰夫,佐藤敏美: 低温工学. 23. 249-260 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] H.Van Beelen ;W van Joolingen;K.Yamada: Physica B. 153. 249-260 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] M.Okuyama;K.Fukuda;Takeo,Satoh: Physica B.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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