研究課題/領域番号 |
63540275
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宇田川 眞行 広島大学, 総合科学部, 助教授 (70144889)
|
研究分担者 |
渡部 三雄 広島大学, 総合科学部, 教授 (20004286)
大林 康二 広島大学, 総合科学部, 教授 (20013518)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 希釈冷凍合 / フェルミ縮退液体^3He / ラマン散致 / スティルスキップ型希釈冷凍器 / 希釈冷凍器 / ラマン散乱 / 縮退ヘリウム3 / フェルミ流体 / 素励起 |
研究概要 |
本研究は縮退フェルミ流体^3Heにおける素励起をラマン散乱によって明らかにすることを目的としている。これを行なうためには液体^3Heがフェルミ縮退の特徴を示す100mKの温度領域での測定が必要である。従って100mKで長時間安定に動作する光散乱用希釈冷凍器が本研究の中心機器である。特に光散乱用と通常のものとの違いは、入射レ-ザ-及び散乱光用の光学窓を設置することである。光学窓の設置は室温の放射や入射レ-ザ-による熱流入を生ずる。従って冷却能力を増大することが必要で、^3He循環量を増大する事が重要である。我々は光散乱用希釈冷凍器として動作できる希釈冷凍器を予冷も考慮して自主製作した。循環量と冷却能力の特性を評価するために、2種類の排気系(小型と大型と呼ぶ)を使用した。小型排気系では最低到達温度が150mK、大型排気系では100mKが得られた。これらは窓を設置した場合の結果である。窓設置での室温の熱流入は30μW程度であった。更に冷却能力を向上するために、分留器での熱交換を行なわない分留器スキップ型希釈冷凍器を考案した。これは、循環量を増大するために分留器の温度を1.3K程度にすると、帰還^3Heの温度が上昇する事実からヒントを得た。その動作結果は、最低到達温度70mKが得られ、100mKでの冷却能力40μWが得られた。40μWは4mW程度のレ-ザ-を100mKで照射できる冷凍能力に相当する。この様に分留器スキップ型は比較的小型の排気系でも高い循環量を得る有力なシステムであることが本研究で明らかになった。これら結果は今後100mKで1mWの冷却能力の希釈凍器の製作において有力な知見となると考えられる。今後継続はてフェルミ縮退液体^3Heのラマン散乱の研究を行い、素励起の特徴を明らかにして行く。
|