研究課題/領域番号 |
63540281
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
小野 嘉之 東邦大学, 理学部, 助教授 (30011761)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 量子ホ-ル効果 / エッヂ状態 / アンダ-ソン局在 / メゾスコピック系 / 伝導度の揺らぎ / フラクタル次元 / 逆参与数(Inverse Participation Number) / 2次元電子系 / メゾスコッピック系 / 逆参与数(Inverse Participation Number)2次元電子系 / 量子ホール効果 / 局在・非局在転移 / 計算機シミュレーション |
研究概要 |
量子ホ-ル効果に対する系の大きさの有限性の影響を調べる目的で、垂直磁場下の有限幅2次元不規則電子系における電子状態及び電流分布を計算機シミュレ-ションによって研究した。得られた主な結果は以下の通りである。 1.バルクの非局在状態とエッヂ状態の間は連続的に移り変る。バルク及びエッヂ状態が異なるランダウサブバンド間で縮退するときには、不純物ポテンシャルの相関距離に応じた混成が起こる。 2.非局在状態の広がり方が2より小さい次元のフラクタル性をもち、エネルギ-領域がエッヂからバルクに変化するにつれて、フラクタル次元も異方的なものから等方的なものへと移行していく。 3.固有状態の重心に関する総和則を数値的に確めた。この総和則はホ-ル伝導度の量子化に密接な関係がある。 4.ホ-ル電流の補償(局在状態による損失が非局在状態の寄与によって補われること)は、グロ-バルのみならず局所的にも成り立っている。従って、ホ-ル伝導度が量子化される領域では、ホ-ル電流分布は不純物存在下でも一様になる。 5.ホ-ル伝導度が充填因子の関数として立ち上がる領域では大きな揺らぎが見られ、同じ領域でホ-ル電流分布を調べると、空間的に激しく揺らいでいることが分かった。 6.ゲ-ト障壁によってホ-ル電流の分布をある程度制御することができ、系の内部での電流分布の研究にも有用であることが分かった。 ホ-ル電流分布に対するク-ロン相互作用の影響については、ホ-ル伝導度に対するサイズ効果を減少させる可能性があることが示せただけで、量子化の精度の理論的限界を明らかにするには至らなかった。
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