研究課題/領域番号 |
63540294
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
浜口 博之 東北大学, 理学部, 教授 (20004385)
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研究分担者 |
増田 徹 東北大学, 理学部, 助手 (00111245)
植木 貞人 東北大学, 理学部, 助手 (40004501)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | アフリカ大陸 / ホットスポット火山 / 東アフリカ地溝帯 / マントル不均質性 |
研究概要 |
アフリカプレートには陸域に25個、海域に10個、プレート周辺部には10個のホットスポットが存在し、地球上で最もホットスポットの集中が著しい地域である。同様にアフリカ大陸は構造盆地、高台、地溝帯などの大規模な地形によって特徴づけられている。HINEPモデルによれば、ニイラゴンゴ/ニアムラギラ・ホットスポットは世界中で最大のホットスポットであるハワイの対蹠点(antipode)である。本研究ではアフリカとその周辺の地域直下のマントル最下部近傍のS波速度と見かけのQ値の不均質性を調べた。更にその結果とマントルプリュームのダイナミクスとの関係を考察した。 45個のWWSSNの地震観測点の長周期地震計に記録された16個の稍探発と深発地震のSと_cS波のtrans-verse成分を解析し二つの波の走時差を同時に求めた。走時残差はアフリカ中央部から離れるに従って減少し、水平距離が60°離れるとふ負の値になる。残差が正の最大値(7.9sec.)を示すのはアフリカ中央部直下である。この正の残差は深さ2000Km以深のマントル最下部のS波速度が標準モデルより2%遅いか、D″領域が厚さ200Km以上で負の速度勾配(1.89×10-3S-1)をもっていれば説明される。残差の変化のパターンは同じ円状である。 ScS-S走時差の正の残差が最大となる位置は、ニイラゴンゴ/ニアムラギラ・ホットスポットの近傍に位置し、さらに全地球の下部マントル不均質の対称軸、ジオイドの高まりの中心位置、全地球の地殻の慣性モーメントの主軸、ジオテクトニックの中心等のグローバルスケールで定義される極(pole)の近傍に位置している。地球物理学的・地質学的証拠と本研究の結果をあわせて考えると、アフリカ中央部直下のマントル最下部近傍にマントルププリュームが存在することが示唆される。このプリュームの存在がホットスポット火山の異常な集中性をもたらしていると結論された。
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