研究課題/領域番号 |
63540296
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脇田 宏 東京大学, 理学部, 教授 (40011689)
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研究分担者 |
佐野 有司 東京大学, 理学部, 助手 (50162524)
野津 憲治 東京大学, 理学部, 助教授 (80101103)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヘリウム同位体比 / 地球内部 / マグマ |
研究概要 |
1.地球内部より放出されるヘリウムの同位体比を測定しマグマの分布や活動状態を推定することを目的として研究を行った。ヘリウムはマグマ起源の揮発性物質としては最も重要な指標である。 2.野外調査は計画にある掘削によるコアー試料の採取に代えて、福島県磐梯山周囲の温泉と伊豆大島三原山付近の温泉ホテルの源泉で液体および気体試料の採取を行った。この内、数個の試料は泥火山からの温泉水ならびに泥水の試料であり、初期の目的に合致する。 3.試料はヘリウムを透過しない真空コックが付属した鉛ガラスの容器で採取し、研究室に持ち帰った。また、測定は試料採取後1ヵ月以内に行った。 4.泥試料から気体を抽出するための真空ラインを作成した。ラインは泥水からの水蒸気に汚染されやすいため、簡便にベークアウトできるように改造した。予備実験の結果、十分な感度と精度が得られることがわかった。 5.磐梯山周囲の温泉や泥火山中の試料のヘリウム同位体比は大気の約5-7倍の値であった。これはカムチャッカ半島、日本列島、マリアナ諸島、ニュージーランド、アンデスなどの環太平洋の火山帯でみられる典型的なマグマ性ヘリウムの値である。 6.1986年11月に大規模な噴火を起こした伊豆大島三原山の中央火口から北に3km離れた大島温泉ホテルの源泉でヘリウム同位体比の時間的な変動を調査した。 7.三原山の噴火後約1月で上昇を始めたヘリウム同位体比は20ヵ月後の1988年7月に最大値である大気の5.5倍に達した。その後、ゆるやかな低下の傾向にあり、1989年2月には大気の約5倍となった。
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