研究課題/領域番号 |
63540314
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
気象・海洋・陸水学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神山 孝吉 京都大学, 理学部, 助手 (70135507)
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研究分担者 |
高谷 精二 南九州大学, 園芸学部, 教授
北岡 豪一 京都大学, 理学部, 助手 (30093230)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 水質形成 / 水循環 / 浸透水 / 空隙圧力 / 不飽和浸透 / 土壌ガス / 地下水 / 土壌 / 土壌空隙圧 / 降水の水質変化 |
研究概要 |
本研究は、降水・浸透水・地下水として各々区分されている地殻表層部付近の水移動システムの内的かつ動的構造を明らかにしようとするものである。したがって降水、浸透水、地下水を一連の水循環システムとして取り扱い、不飽和帯の水及び地下水の水質がいかに形成され、さらに維持・変化を遂げていくのかを研究対象とした。 この水循環システムの中で浸透水への土壌ガス成分の溶解過程は、水の中の物質の移動現象を捉えるうえで大変興味深い研究対象である。そのための基礎試料として、平常及び降水時の土壌空隙の気体圧力及びその大気圧との偏差の時間変動を明らかにすることを試みた。さらに降水・土壌浸透水・地下水を実際に採取し、それぞれの量的変動と伴に水質変動を明らかにした。 研究・観測対象地域として、野外試験地・モデル実験地・現地試験地を設定した。野外試験地は宮崎県高鍋町南九州大学構内農場の一部、モデル実験地は大分県別府市内京都大学地球物理学研究施設構内、現地試験地はモデル実験地より約1kmほど離れた山腹中の同乙原地滑り地の内部にある。 野外試験地及びモデル実験地では土壌空隙気体圧力の計測(土壌空隙圧・土壌温度の変動特性)、モデル実験地及び現地試験地では水循環システム(降水、浸透水、地下水の量的変動と質的変動)を主な研究対象とした。 具体的には土壌間隙の圧力の計測とその自動記録システムを設計・運用した。その後同時に温度も計測記録した。これらの測定結果はデジタル化されて記録されており一定期間後にコンピュ-タに取り込んだため、デ-タ処理過程が迅速・省力化された。ここでは大気圧変動にともなった土壌空隙気圧の変動特性が観測できた。 さらにモデル実験地及び現地試験地での観測結果から、地殻表層部の水循環過程に伴う水質形成機構が推定できた。すなわち降水が地表内部に浸透し浸透水を形成していく。このとき直ちにカルシウム重炭酸が浸透水中に溶解していく。その後カルシウムとナトリウムがイオン交換反応を起こしてナトリウムを溶存させていくことによって、地下水の水質が形成していくのであろう。 これらの研究成果は、取りまとめて研究成果報告書として印刷・出版した。
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