研究課題/領域番号 |
63540319
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
近藤 豊 名古屋大学, 空電研究所, 助教授 (20110752)
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研究分担者 |
岩田 晃 名古屋大学, 空電研究所, 助手 (40023676)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 総窒素酸化物 / 中層大気 / 金コンバ-タ- / 一酸化窒素 / NOy / オゾン / 成層圏 |
研究概要 |
中層大気中での窒素酸化物の総量(NOy)を測定するために、NOyを一酸化窒素(NO)に変換するための金製のコンバ-タ-の製作及びその特性試験を行なった。まず63年度には直径6mm、長さ30cmの金管を購入した。これを19本束ね、内径30mm、長さ50cmのステンレス管に入れた。ステンレス管の外側を長さ35cmにわたり300℃に加熱するシステムを作った。このコンバ-タ-を用いてサンプル大気に一酸化窒素(CO)を混合した状態で、温度300℃で二酸化窒素(NO_2)のNOへの変換効率を測定した。この結果3〜50mbの圧力範囲で、変換効率が98%であることを見出した。またこの変換効率はオゾン濃度が数ppmv以下であれば、ほとんど変化しないことも見出された。オゾンにより影響が小さいということは、オゾン濃度が高い成層圏でこのコンバ-タ-が有効に利用できることを意味する。平成元年度は63年度に製作したコンバ-タ-を、実際に気球に搭載できるような形に組み上げた。具体的にはステンレス部分の中心付近にアスベスト、また周辺部分には断熱スポンジを用いて、コンバ-タ-の断熱特性を良くした。このことにより電力消費を最小限に押えることができた。このような形に組み上げた後に、気球観測用NO検出器を組み合わせ、コンバ-タ-の圧力特性、オゾンによる影響を再びテストした。この結果、これらの特性は極めて良い再現性があることが分った。またコンバ-タ-を通した合成空気のゼロレベルが、コンバ-タ-により上がることが分った。このゼロレベルはコンバ-タ-を一度500℃近くまで上げた後、300℃まで下げれば、かなり安定して低い値となることが、分った。このようにコンバ-タ-を実用化することが可能性になり、本研究の目的に十分に達成できた。
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