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極超短時間励起により生成された分子間コヒーレンスの伝播と減衰に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63540322
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 物理化学一般
研究機関東北大学

研究代表者

藤村 勇一  東北大学, 理学部, 助教授 (90004473)

研究期間 (年度) 1988
研究課題ステータス 完了 (1988年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード分子間エネルギー移動 / コヒーレンス伝播 / フェムト秒時間分解 / CARS分光法
研究概要

1.序 本研究の目的は溶液中に於ける分子間エネルギー移動の初期過程の中で重要な分子間コヒーレンスの伝播とその減衰機構を理論的に解明する事であった。本研究の一般論は研究発表の第一の論文に発表し、その応用は1988年7月京都で開かれた第6回超高速現象国際会議で発表され多くの関心がよせられた。特に同会場で、西ドイツ実験研究グループとスペクトルの解析について詳しい意見交換が行われた。
2.成果 分子間コヒーレンスの移動は関係する二分子それぞれに作られた状態間コヒーレンスが熱浴モードを通して相互作用する事によって起きる事が初めて本研究によって定式化された。溶液中ではエネルギー移動が起る前にコヒーレンス伝播が起こり、その時間スケールは、有機分子の溶液中では10〜100フェムト秒である。このコヒーレンス伝播を観測する手段の一つは、時間分解コヒーレントanti-Stokes Raman(CARS)分光法であり、コヒーレンスの伝播が起こっている時には、このスペクトルに量子ビートが観測される事が理論的に示された。量子ビートの振動数は関係する二つの分子のそれぞれの遷移振動数の差に等しい。そして分子間コヒーレンス定数がと大きくなるにつれて振動数差が変化する。この量子ビートの減衰の時定数の構造も同時に明らかにされた。本研究の応用として、カイザー(西ドイツ)グループが最近報告した、二種の有機分子の混合溶液のフェムト秒時間分解CARSスペクトに生じるビートの変化が分子間コヒーレンス移動現象によるものである事を示し、そのスペクトルの解析を行った。
3.結語 上述の様に本研究の主目的は研究期間内に達成する事が出来た。これには、1987年から行って来た本研究に対する予備研究が生かされた事によるとのことである。今後の発展として、時間分解CARS以外の非線形工学過程に分子間コヒーレンス効果がどの様に反映されるか研究続けたい。

報告書

(1件)
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 林倫年: J.Chemical Physics. 89. 34-41 (1988)

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書
  • [文献書誌] 河野裕彦: J.Chemical Physics.

    • 関連する報告書
      1988 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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