研究課題/領域番号 |
63540360
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 国立公害研究所 |
研究代表者 |
井上 元 国立公害研究所, 大気環境部, 主任研究員 (70101053)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 光分解 / マトリクスアイソレーション / 赤外吸収 |
研究概要 |
光分解生成物の光分解光の偏光面からの角度分布を、マトリクスアイソレーション法で測定するための装置を試作し、その性能を調べた。マトリクスを生成する基盤として10Kに冷やした金属鏡を用いることにし反射法で赤外吸収スペクトルが得られるようにした。金属鏡は赤外線を効率良く反射するため周囲からの熱輻射で加熱されることなく、2時間半程度で9.4Kまで冷却することができた。この表面にアルゴン中に希釈した気体を吹きつけ、透明度の高いガラス状のアルゴンマトリクスが生成する条件を調べた。次いで、試料の厚さがどこまで厚くできるかを調べた。約10vm以上になると固体アルゴンの熱伝導速度が冷却の律速となり始め、表面で液体アルゴン→微結晶化が迎合するようになり、マトリクスの透明度が急激に低下する。透過法では多結晶が生成しても全体の透過度が下がるだけであるが、反射法では表面での乱反射光を集光するため光学的厚さが急激に薄くなる。このため見掛け上のマトリクス中の物質による吸収が低下することがわかった。第三に、連続的なアルゴンの吹き付けによるマトリクスの成長する上に、パルス的に他の分子を吹き付けた場合、後者の割合が0.1%以下では著しい多量体を形成することなくアイソレートされることがわかった。また、ベリリウムとアルゴンの混合ガスを用いても何ら問題なく良質のマトリクスが形成された。問題点としては(1)先に述べたマトリクス膜を厚くすることが困難であることに伴い、検出感度が赤外吸収法で測定する限り不充分であることが明らかになり、(2)良好な透明度を持ったマトリクスを形成するには吹き付け速度などが狭い範囲に限られること、などが明らかになった。このため(a)多重反射法による検出感度の向上、(b)内部全反射法による測定など、新たな工夫が必要となり、その検討を行った。
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