研究課題/領域番号 |
63540403
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲永 純二 九州大学, 理学部, 助手 (50091244)
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研究分担者 |
山口 勝 九州大学, 理学部, 教授 (60037140)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ヨウ化サマリウム / ラジカル環化 / 脱酸素官能基化 / 電子移動反応 / 複数環化合物合成 / 非天然型リンゴ酸 / 立体異性体識別 |
研究概要 |
ヨウ化サマリウムによる芳香族ハライドの還元は対応するラジカルを与える。このラジカルを分子内の適当な位置にある二重結合あるいは三重結合で捕捉するラジカル環化反応を行った。オルト位に種々の置換様式のアリルオキシ基、アリルアミノ基、プロパルギルオキシ基およびプロパルギルアミノ基を有する芳香族ブロミドをHMPA存在下ヨウ化サマリウムで処理すると、室温数時間以内に反応は終了し対応する複数環化合物を好収率で与えた。従来のラジカル環化法と比べて本法の特長は、ラジカルの発生において臭化物を使えること、加熱の必要がないこと、また、過剰還元が起こらないので還元剤の濃度を問題にする必要がないなどの点であろう。一方、α-アセトキシ、α-メトキシ、α-OTHPおよびα-ヒドロキシエステルの脱酸素官能基化をヨウ化サマリウムを用いる電子移動反応により達成した。本変換にはHMPAの添加が不可欠であった。ジアステレオマー混合物であるα-OTHPエステルの還元では、異性体間で反応速度に大きな差があることがわかったが、このことは本電子移動反応では基質がサマリウムに配位することが重要であること、別の見方をすれば、サマリウムによる立体異性体識別が可能であることをを示しており興味深い。本反応は添加剤の影響を非常に大きく受けるため、逆にこれを適切に選択することにより反応を微妙に制御することができる。添加剤としてエチレングリコールを用いることによって、天然型酒石酸エステルの水酸基の一方のみを選択的に還元し、非天然型リンゴ酸エステルに導く一段階高収率変換法を初めて開発した。室温、ほぼ中性条件下進行し、好収率を与える本脱酸素官能基化法は、これまで有効な方法がなかったエステルのα位の脱酸素化反応の一般法として、有機合成上、大変有用であると思われる。なお、上記の成果は欧文速報誌に投稿予定および現在投稿中である。
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